...忽ち心を躍らすばかり暖な日の色に染まつてゐる蜜柑(みかん)が凡そ五つ六つ...
芥川龍之介 「蜜柑」
...と思って胸を躍らすことがある...
泉鏡花 「幼い頃の記憶」
...体を躍らすようにして向うの長い道路をのぞき込んだ...
大阪圭吉 「石塀幽霊」
...君はたぶん救貧院においてさえ、何か愉しく、心を躍らす、かがやかしいときをもつことであろう...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...たとえば暗い地下牢にとじこめられていた者が青空を仰いで胸を躍らすのとそっくり――と俺は感じたのだが...
高見順 「いやな感じ」
...然し彼が一番胸を躍らすのは...
豊島与志雄 「少年の死」
...舷側の欄干の間から身を躍らす...
豊島与志雄 「どぶろく幻想」
...「ちぇっ」といって身を躍らすと...
中里介山 「大菩薩峠」
...大地は血を湧き肉を躍らす...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...向ふから来(き)た一台の空車(からぐるま)の輪の音(おと)が胸を躍らす様に響(ひゞ)いた...
夏目漱石 「それから」
...向うから来た一台の空車(からぐるま)の輪の音が胸を躍らす様に響いた...
夏目漱石 「それから」
...日本海の海戦でトラファルガー以来の勝利を得たのに心を躍らすのである...
夏目漱石 「マードック先生の『日本歴史』」
...掌に躍らすようにして...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...自分には胸を躍らす余裕がない...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...小説的興味の主役として躍らすことは...
吉川英治 「折々の記」
...五体を躍らすだけでは足らなくて...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...しかもきわめて優しい女の返辞(へんじ)! 万吉はドキンと胸を躍らすと一緒に思わず「ありがてえ」と心の奥で呟(つぶや)いたことである...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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若山牧水 「みなかみ紀行」
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