...足で荒々しく其の身体を蹴返して見ながら私に言うのだ...
中島敦 「虎狩」
...虎に殺され損った勢子(せこ)を足で蹴返していまいましげに見下した彼以外の誰の眼付だろうか...
中島敦 「虎狩」
...霧の如く白雨の脚が軟弱な稲を蹴返し蹴返し迫って来た...
長塚節 「太十と其犬」
...中心を失った石像のように椅子を蹴返して...
夏目漱石 「虞美人草」
...それを助けては」後ろから縋(すが)り付くお小夜を蹴返して...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...紅(あか)の裳(もすそ)を蹴返して踏みはだけた足を直してやると...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...紅の裳(もすそ)を蹴返して踏みはだけた足を直してやると...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...渚の水を蹴返しながら又ひょろ松のそばへもどってくる...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...道端の魚籠を蹴返し...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...八雲町の交番の方から燃立つような夜会服(ソワレ)の裾をヒラヒラと蹴返しながら...
久生十蘭 「魔都」
...敵も味方も一緒くたになって溝板を蹴返しながら小川町まで駆け出した...
久生十蘭 「魔都」
...夜目にもチラチラ艶(なまめ)かしく緋縮緬の裾を蹴返しながら...
正岡容 「寄席」
...ワーッと戸を蹴返して二人は表へ逃げだしてしまう...
正岡容 「我が圓朝研究」
...又眼前の物体は何に限らず蹴返した...
松永延造 「職工と微笑」
...胸元を一突き――蹴返して...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...下島は自分の前に据ゑてあつた膳を蹴返した...
森鴎外 「ぢいさんばあさん」
...黙々と蹴返して来るのがまたパリーだ...
横光利一 「欧洲紀行」
...躍り込んできた万吉を蹴返した...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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