...そんなものいつかは蹴散らしてしまうし...
ジェイムズ・アレン James Allen 大久保ゆう訳 「朝に想い、夜に省みる」
...えらく威張って蹴散らして...
太宰治 「花燭」
...馬上ならば何者なりとも蹴散らして通るべきものを...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...常磐木の黒ずんだ葉から水烟のように霜だの雪だのを蹴散らして行った...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...起きぬけに顔も洗わず露蹴散らして草をとる...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...お前の見えない脚で何にもかも蹴散らしてくれ...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...ぱっぱっと蹴散らして歩いた……...
豊島与志雄 「母親」
...落葉を踏み砕き、蹴散らして、颯爽と歩きたいのだ...
豊島与志雄 「母親」
...南条は左の小脇にまだ病体の宇津木兵馬を抱えながら、右の手と足とを縦横に働かせて、組みついて来る同心や手先や非人を取って投げ、蹴散らして、阿修羅のように戦っているのであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...深雪を蹴散らして...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...おれがその魔窟を蹴散らして呉れるわ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...私の若駒バーシニスター号ならどんな競争馬も蹴散らして...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「悪の帝王」
...その水煙りに似た陽(ひか)りを蹴散らして魚のやうに飛び回つてゐるので...
牧野信一 「南風譜」
...今までと打って変って暗い甲州側へ雪を蹴散らして駆け下りた...
松濤明 「春の遠山入り」
...裾を蹴散らして歩く背高い姿はひとびとの目を惹いたのである...
室生犀星 「幻影の都市」
...鱶(ふか)だの鮫(さめ)だのは素より、身体(からだ)中に刃物を並べた鯱(しゃち)だの、棘(とげ)の鱗(うろこ)を持った海蛇だのが集(たか)って来て、烈しい渦を巻き立てて飛びかかりましたから、香潮は一生懸命になって、拳固で擲(なぐ)り飛ばし、足で蹴散らして、追いつ追われつ底の方へわけ入りましたが、その中(うち)にやっとこんな魚(うお)の居る処から逃げ出した時には、もう身体(からだ)がグタグタになって、胸が苦しくて眼が眩(くら)んで、死にそうになっていました...
夢野久作 「白髪小僧」
...逃げる間もなく踏み蹂(にじ)り蹴散らして...
夢野久作 「白髪小僧」
...一気に敵陣を蹴散らして...
吉川英治 「三国志」
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