...そのまま南大門(なんだいもん)の柱の根がたへ意気地(いくじ)なく蹲(うずくま)ってしまいました...
芥川龍之介 「竜」
...のしこと地蔵様の背後(うしろ)に蹲(しゃが)み込んで覗(のぞ)いたんで...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...草に蹲(うずくま)って...
泉鏡花 「瓜の涙」
...恰度大きな黒犬が蹲(うずくま)った位の...
大阪圭吉 「死の快走船」
...そして、私は一ダースの言葉も聞かないうちに、どんなことがあっても出てゆくどころではなく、極度の恐怖と好奇心とで、ぶるぶる震えながらも耳を傾けて、そこに蹲った...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...お給仕の塗盆を持って丸く蹲(うずくま)って馬場の顔をふり仰いだまま...
太宰治 「ダス・ゲマイネ」
...白い切れをかけた天鵞絨(びろうど)の枕を持って来て彼の枕頭(まくらもと)に蹲(しゃが)んだ...
田中貢太郎 「水郷異聞」
...往きかけたところで救助網(あみ)にすれすれになった処に蹲(しゃが)んで何か探している者があるじゃありませんか...
田中貢太郎 「雪の夜の怪」
...軍治は路傍に蹲(しやが)みこんで...
田畑修一郎 「鳥羽家の子供」
...呉葉もじつとしてそこに蹲踞んでゐた...
田山花袋 「道綱の母」
...足駄ばきのまゝ蹲(しゃが)んで話して居る者もある...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...千代子の新たな影が畳の上に小さく蹲っているのを見て...
豊島与志雄 「影」
...蹲(うずくま)っていた...
直木三十五 「南国太平記」
...そのまゝ意久地なく其場に蹲踞(しやが)んでしまふと...
永井荷風 「にぎり飯」
...鏡台の前に蹲踞んで...
林芙美子 「浮雲」
...肘掛け椅子の上へ蹲踞らせた...
堀口九萬一 「フランソア・コッペ訪問記」
...幽霊のやうに可憐に男の来るのを待ち佗びてゐる姿が蹲つて居た...
牧野信一 「白明」
...彼は這いながら弓門の見える建物の裾に蹲(うずくま)って街路の方を見た...
横光利一 「上海」
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