...今まで下に蹲(うづくま)つてゐたのが...
芥川龍之介 「地獄變」
...彼は蹲(しゃが)んで得意そうに云ってまず庖丁を腹からおろした...
田中貢太郎 「岩魚の怪」
...「佳い匂(におい)じゃないの」「へえ」「汝(おまえ)もお坐りよ」「へい」平吉はその横手に蹲(しゃが)んだ...
田中貢太郎 「春心」
...蹲(しゃが)んで後(うしろ)にまわす手先に...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...蹲(しやが)むで後にまはす手先に...
徳冨蘆花 「熊の足跡」
...植込みの影が魔物のように蹲っていた...
豊島与志雄 「子を奪う」
...何やら黒く蹲まっているものがある...
豊島与志雄 「文学以前」
...襟巻(えりまき)も取らず蹲踞(しゃが)んで火鉢の消えかかった火を吹いていた...
永井荷風 「ひかげの花」
...茶釜(ちやがま)を掛(か)けた竈(かまど)の前(まへ)に懶(だる)い身體(からだ)を据(す)ゑて蹲裾(うづくま)つた...
長塚節 「土」
...臥(ふ)す牛を欺く程の岩が向側から半ば岸に沿うて蹲踞(うずくま)れば...
夏目漱石 「幻影の盾」
...庭の防空壕の中に蹲っていると...
原民喜 「死のなかの風景」
...二人の女が蹲っていた...
原民喜 「夏の花」
...中仕切りの陰に蹲(うずくま)り...
林不忘 「若き日の成吉思汗」
...蜂の巣の下に蹲跼して...
牧野信一 「夜見の巻」
...また続いて落蹲(らくそん)の舞われたのも目馴(な)れず珍らしい見物であったが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...まるで蹲(しゃが)んでいたものが起ちあがりでもするようにぐっと頭を擡(もた)げるとみるや...
山本周五郎 「新潮記」
...いかがなさいました」ボナパルトは自分の傍に蹲(しゃが)み込む妃の体温を身に感じた...
横光利一 「ナポレオンと田虫」
...前に蹲み込む姿勢で横の矢代の表情を窺うように云った...
横光利一 「旅愁」
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