...遠いうす暗がりの中に蹲つて居りますので...
芥川龍之介 「地獄變」
...鏡自分は無暗(むやみ)に書物ばかり積んである書斎の中に蹲(うづくま)つて...
芥川龍之介 「東京小品」
...駅員が二三人、駅夫室の入口に倚懸(よりかか)つたり、蹲んだりして、時々此方(こつち)を見ながら、何か小声に語り合つては、無遠慮に哄(どつ)と笑ふ...
石川啄木 「鳥影」
...松子は少し離れて納戸色(おなんどいろ)の傘を杖に蹲(しやが)んだ...
石川啄木 「道」
...向うの隅(すみ)のクッションに蹲(うずくま)っているばかりであった...
江戸川乱歩 「押絵と旅する男」
...蹲と履脱を動かせば...
小穴隆一 「二つの繪」
...彼等は膝頭をかかえて蹲(うずくま)ったまま呆然として口もきかなかった...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...この水を飲んでもうすこし吐くが好い」省三は蹲(しゃが)んでその水を細君(さいくん)の口の傍へ持って往った...
田中貢太郎 「水郷異聞」
...知らん顔をして芸術が蹲踞(うずくま)つてゐるやうなこともある...
田山録弥 「黒猫」
...じっと蹲っているのである...
豊島与志雄 「オランウータン」
...蹲(しゃが)んでいた...
直木三十五 「南国太平記」
...柳(やなぎ)の根元(ねもと)の支木(さゝへぎ)に背(せ)をよせかけながら蹲踞(しやが)んでしまつた...
永井荷風 「すみだ川」
...真暗な部屋に蹲つた儘ぼんやりしてゐた...
原民喜 「災厄の日」
...いたるところの水溜りにひとりずつ誰かが蹲っている...
原民喜 「鎮魂歌」
...俗皆徒跣、以蹲踞爲恭敬...
范曄 「後漢書倭傳」
...額を地に押しつけるやうにして蹲つて見え...
北條民雄 「間木老人」
...庵は貝殻を伏せたやうな扁平な草葺屋根で池のふちに蹲つてゐた...
牧野信一 「天狗洞食客記」
...人気のない畳にさす春の日のなかに蹲つてゐた...
室生犀星 「鉄の死」
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