...頗(すこぶ)る足元が蹣跚(まんさん)としていた...
芥川龍之介 「路上」
...その巡査達は蹣(よろ)けて帰り乍ら...
池宮城積宝 「奥間巡査」
...酔歩蹣跚(すいほまんさん)の姿で...
太宰治 「春の枯葉」
...其処へ蹣跚(まんさん)と通りかゝつた痩せぎすの和服の酔客を呼び止めて...
谷崎潤一郎 「泉先生と私」
...再び桶の中へ蹣跚(よろめき)き込んだ...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...浴衣(ゆかた)がけで車の前を蹣跚(まんさん)として歩いて行く...
寺田寅彦 「KからQまで」
...敵來ぬ中は蹣跚の牛群彼はやしなへり...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...しかしてそのわずかに生存するものとても痩歩蹣跚(そうほまんさん)すでにその片足をば墓中に投じたるにあらずや...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...よきこと起(おこ)せ」勘次(かんじ)はさういつて自分(じぶん)も一(ひと)つに蹣跚(よろ)けながら立(た)つた...
長塚節 「土」
...唐代の衣冠(いかん)に蹣跚(まんさん)の履(くつ)を危うく踏んで...
夏目漱石 「虞美人草」
...某政治家も爛酔(らんすい)して前後もわきまえず女中の助けをかりて蹣跚(まんさん)として玄関に来たが...
新渡戸稲造 「自警録」
...蹣跚(よろめ)きさうな身体を支へて呉れさうな気がした...
原民喜 「閑人」
...有楽町の通りを一人の酔漢が口笛を吹きながら蹣跚たる足どりで歩いて行く...
久生十蘭 「魔都」
...蹣跚(まんさん)とした大広間の往復が...
本庄陸男 「石狩川」
...一歩蹣跚き退った...
牧逸馬 「アリゾナの女虎」
...胸を撫で降ろしながらの蹣跚たる中風患者の有様では...
牧野信一 「剥製」
...ぎごちなく蹣跚(よろめ)いた...
宮本百合子 「海浜一日」
...中腰になっていた寿女は大袈裟に蹣跚(よろ)けて隣りの枠台に手をつき...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
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