...さて百姓は蹣跚(よろめ)きながら我家に帰った...
レオニイド・アンドレイエフ Leonid Andrejew 森鴎外訳 「犬」
...その巡査達は蹣(よろ)けて帰り乍ら...
池宮城積宝 「奥間巡査」
...何やら呟き乍ら蹣跚(よろよろ)とした歩調(あしどり)で行き過ぎた...
石川啄木 「鳥影」
...フラフラと蹣跚(よろめ)いた...
海野十三 「深夜の市長」
...よろよろと蹣跚(よろめ)き...
海野十三 「流線間諜」
...六郷川をわたり、原村の立春梅は閑却して、新田神社の前を過ぎて、池上村に來り、鑛泉松葉館に至りて、浴し、酒し飯し、腹と共に、昨日來の望みも滿ち、醉脚蹣跚として、大森の停車場に來り、茶店に憩ふほどに、乘客非常に多く、わざ/\杉田より折り來りし梅枝、いと大なれば、或ひは汽車の中に持ちゆくこと難く、持ちゆくも、人込の爲に、あたら花を散らされては甲斐なしとて、宿の主婦の花ほしげなるを幸に、之に與へて、遂に全く花と別れぬ...
大町桂月 「杉田の一夜」
...醉歩蹣跚として去る...
大町桂月 「水戸觀梅」
...酔歩蹣跚(すいほまんさん)の姿で...
太宰治 「春の枯葉」
...浴衣(ゆかた)がけで車の前を蹣跚(まんさん)として歩いて行く...
寺田寅彦 「KからQまで」
...彼は立ち上ると蹣跚(よろめ)いて行って...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...八五郎の足は蹣跚(まんさん)として居ります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...蹣跚(まんさん)として雲を踏むよう...
野村胡堂 「死の舞踏」
...昭和十年一月二日の午前三時半ごろ、酔歩蹣跚として、新橋から山手へ帰ろうとされた方々、あるいは、タキシーによって銀座四丁目を経て、四谷、牛込の方へ赴かれようとなさった方々がそれらの地点に差しかかった時、突然暗闇から私服あるいは新撰組の隊士が現われて交通を制止し、非常なる大廻りをさせられて帰宅されたことを思い出されるでしょう...
久生十蘭 「魔都」
...彦太郎は蹣跚(まんさん)たる足どりで...
火野葦平 「糞尿譚」
...蹣跚(まんさん)とした...
本庄陸男 「石狩川」
...純造よりも五寸がた丈の高い西岡はそのガツシリした偉躯を蹣跚とさせながら洞ろな声を張り挙げて切りに拙い歌をうたつた...
牧野信一 「坂道の孤独参昧」
...蹣跚たる夢に飽きて...
牧野信一 「酒盗人」
...蹣跚(まんさん)たる足どりで...
吉川英治 「私本太平記」
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