...あの腫物は直ったかしら? ――酔歩蹣跚(まんさん)たる四十起氏と...
芥川龍之介 「上海游記」
...さて百姓は蹣跚(よろめ)きながら我家に帰った...
レオニイド・アンドレイエフ Leonid Andrejew 森鴎外訳 「犬」
...社長は蹣跚(よろ/\)と行つて椅子に倒れ懸りながら...
石川啄木 「菊池君」
...何やら呟(つぶや)き乍ら蹣跚(よろ/\)とした歩調(あしどり)で行き過ぎた...
石川啄木 「鳥影」
...大通りを避けて見知らぬ露地から露地へ私は蹣跚(まんさん)と歩き廻った...
梅崎春生 「風宴」
...唯もう蹣跚(よろ/\)と...
薄田泣菫 「茶話」
...浴衣(ゆかた)がけで車の前を蹣跚(まんさん)として歩いて行く...
寺田寅彦 「KからQまで」
...角曲がり蹣跚として歩む牛...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...風月堂にていつもの如く晩餐をなし酔歩蹣跚出雲橋を渡る...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...八五郎の足は蹣跚(まんさん)として居ります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...引き摺るようにして蹣跚(まんさん)として来たる...
長谷川伸 「中山七里 二幕五場」
...稍(やや)蹌踉(そうろう)蹣跚(まんさん)として歩いていたわけです...
浜尾四郎 「悪魔の弟子」
...酔歩蹣跚(まんさん)といったぐあいに肩から先に前のめりになってヨロヨロと二三歩泳ぎだすかと思うと...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...二人は蹣跚(まんさん)たる足どりで...
久生十蘭 「魔都」
...昭和十年一月二日の午前三時半ごろ、酔歩蹣跚として、新橋から山手へ帰ろうとされた方々、あるいは、タキシーによって銀座四丁目を経て、四谷、牛込の方へ赴かれようとなさった方々がそれらの地点に差しかかった時、突然暗闇から私服あるいは新撰組の隊士が現われて交通を制止し、非常なる大廻りをさせられて帰宅されたことを思い出されるでしょう...
久生十蘭 「魔都」
...あの女子(おなご)のために蹣跚(よろめ)いてただ一つの的を狙(ねら)っていた...
ホフマンスタアル Hugo von Hofmannsthal 森鴎外訳 「痴人と死と」
...思はず蹣(よろ)めいて母の袂に縋つた...
牧野信一 「鱗雲」
...純造よりも五寸がた丈の高い西岡はそのガツシリした偉躯を蹣跚とさせながら洞ろな声を張り挙げて切りに拙い歌をうたつた...
牧野信一 「坂道の孤独参昧」
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