...一分だけわがものに背筋へ瀧の音を浴びて踞んで...
泉鏡花 「遺稿」
...土塀(どべい)に踞(しやが)んで砂利所(じやりどころ)か...
泉鏡太郎 「艶書」
...根に踞(かが)んで...
泉鏡花 「怨霊借用」
...石段の上に五六人の男が立ったり蹲踞(しゃがん)だりしている...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「消えた霊媒女」
...宏壮な彼の邸が蟠踞してから山容水態が悉く一変して了った事を感じました...
谷崎潤一郎 「金色の死」
...欄干に靠(もた)れて蹲踞(うずく)まっていた幸子は...
谷崎潤一郎 「細雪」
...蹲踞やがてして、兄貴カロチュス、胃に不愉快を覚ゆるに、軒窗に一眼(いちがん)ありて其れよりぞ磨かれし大鍋ごとき陽の光偏頭痛さへ惹起(ひきおこ)し、眼(まなこ)どろんとさせるにぞ、そのでぶでぶのお腹(なか)をば布団の中にと運びます...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...全国に三百余侯がそれぞれ蟠踞(ばんきょ)して...
中谷宇吉郎 「雪」
...瓦斯七輪(ガスしちりん)を置いた板の間に蹲踞(しゃが)んでいる下女に挨拶(あいさつ)をした...
夏目漱石 「門」
...瓦斯七輪(ガスしちりん)を置(お)いた板(いた)の間(ま)に蹲踞(しやが)んでゐる下女(げぢよ)に挨拶(あいさつ)をした...
夏目漱石 「門」
...――踞(しや)がんだところを後からやられなきや...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...早春の庭に踞(しやが)んで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...早春の庭に踞(しゃが)んで...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...狹い店先に踞(しやが)みました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お腹一ぱいに條虫(さなだむし)の大きな奴が蟠踞してしまつてたんだつて――そこまではまじめだが...
長谷川時雨 「夏の夜」
...吉里は戦慄(みぶるい)しながら火鉢の前に蹲踞(しゃが)んだ...
広津柳浪 「今戸心中」
...これは阿波の小松島から勝浦ノ庄へかけて蟠踞(ばんきょ)している岩松経家という豪族にして海賊でもある家の定紋なのである...
吉川英治 「私本太平記」
...一行叢中に踞坐(こざ)して又一語なし...
渡邊千吉郎 「利根水源探検紀行」
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