...例の白黒斑(まだら)な狗(いぬ)が踞(うずくま)っているのである...
泉鏡花 「婦系図」
...そのなかに蹲踞(しやが)んで珍らしい四つ葉を捜してゐるのを見掛けるだらう...
薄田泣菫 「茶話」
...蝦蟇(がま)のやうに土の上にかい蹲踞(つくば)つてゐた...
薄田泣菫 「茶話」
...おりしも氏は竈辺(そうへん)に踞(きょ)し蕪菁(ぶせい)を煮つつありたるに敵国の使者来たり巧言もって黄金を贈る...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...袈裟(けさ)を着た坊主が踞(しやが)んでるやうな恰好をしてよ...
長與善郎 「青銅の基督」
...誰がそこに蹲踞(うずくま)っているのか...
夏目漱石 「硝子戸の中」
...向うの波打際(なみうちぎわ)に蹲踞(しゃが)んでいる兄さんの姿を...
夏目漱石 「行人」
...婦人は温泉煙(ゆけむり)の中に乞食(こじき)のごとく蹲踞(うずくま)る津田の裸体姿(はだかすがた)を一目見るや否や...
夏目漱石 「明暗」
...瓦斯七輪(ガスしちりん)を置いた板の間に蹲踞(しゃが)んでいる下女に挨拶(あいさつ)をした...
夏目漱石 「門」
...物の隈(くま)のように踞(うずくま)った総髪の中老人...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...敷居の外に踞(うずくま)る平次の手を頂きたいような様子です...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...艫(とも)に踞(しやが)みました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...縛られた金次郎の前に踞(しやが)みました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...踞(うづく)まつて苦しんでゐる...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お腹一ぱいに條虫(さなだむし)の大きな奴が蟠踞してしまつてたんだつて――そこまではまじめだが...
長谷川時雨 「夏の夜」
...その片側塀の闇に踞んで...
久生十蘭 「魔都」
...不平なれば則ち乞児(きつじ)巌頭に踞(きょ)して遥に金紋先箱大鳥毛の行列を瞰(にら)む処...
正岡子規 「病牀譫語」
...久しく北国の一地方に屈踞(くっきょ)していた馬延(ばえん)と張(ちょうぎ)のふたりだった...
吉川英治 「三国志」
便利!手書き漢字入力検索