...朦朧(もうろう)と踞(しゃが)んだ手から...
泉鏡花 「悪獣篇」
...一分だけわがものに背筋へ滝の音を浴びて踞(しゃが)んで...
泉鏡花 「遺稿」
...水を隔(へだ)てて斜に向き合って芝生に踞む...
鈴木三重吉 「千鳥」
...手品師は真赤になつて畳の上に這(は)ひ踞(つくば)つた...
薄田泣菫 「茶話」
...天幕の入口に蹲踞(そんこ)した...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...蹲踞(しやが)むと共に眼をつぶつて兩手に顏をかくした...
永井荷風 「或夜」
...爺さんは煙管(きせる)を啣(くわ)えて路傍(みちばた)に蹲踞(しゃが)んでいた腰を起し...
永井荷風 「伝通院」
...荒布(あらぬの)の前掛を締めた荷揚の人足が水に臨んだ倉の戸口に蹲踞(しゃが)んで凉んでいると...
永井荷風 「夏の町」
...井戸端で盥を前にして蹲踞(しやが)む時...
永井壮吉 「人妻」
...荒草の間に蟠踞(ばんきょ)していたところの巨大なる切石のはざまにうずくまって...
中里介山 「大菩薩峠」
...さうして彼(かれ)はぽつさりと玄關(げんくわん)に踞(うづくま)つて待(ま)つて居(ゐ)ることがせめてもの氣安(きやす)めであつた...
長塚節 「土」
...早春の庭に踞(しやが)んで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...――とんだ災難だったね」敷居際に踞(しゃが)んだ平次を...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...河岸(かし)の石疊の上に踞(しやが)み込んで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...又床には坐らないで始終踞つて居るものもあれば...
松本文三郎 「世界に於ける印度」
...彼の七八に「手掃蒼苔踞石上...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...手を繋(つな)いで輪になって中央に踞(うずくま)った児(こ)に...
柳田国男 「こども風土記」
...いまなお播州の一地方に崛踞(くっきょ)している者の妄(もう)と無能をあわれむような...
吉川英治 「黒田如水」
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