...うしろでざくりざくりと砂を踏む音がするではありませんか...
海野十三 「怪塔王」
...幸い薄氷(はくひょう)を踏む思いの長い三十分は...
海野十三 「白蛇の死」
...人はそのうえを踏むことさえあり...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...黒煙濛々(もうもう)の地団駄(じだんだ)踏むばかりの焦躁でなければなりません...
太宰治 「女の決闘」
...一體、講中などに加はつてゐる婆さんに限つて、體の達者な、威勢のいゝ老人が多いものだが、此の婆さんもその例に洩れず、とん、とん、と踏む足拍子は、憎らしいほどシヤンとしてゐる...
谷崎潤一郎 「二月堂の夕」
...雪のような白足袋に山気(さんき)を含んだ軟らかな広場の土を踏む...
中里介山 「大菩薩峠」
...いったん舌を捲いて地団駄を踏むと共に...
中里介山 「大菩薩峠」
...――立派な思想と信仰とを抱いたあの美しい有為な青年も踏む事を強ひられる事になるのだ...
長與善郎 「青銅の基督」
...踏むは地と思えばこそ...
夏目漱石 「草枕」
...引つ込みが付かなくなりますよ」ガラツ八が二の足を踏む間に...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...六法を踏む恰好で歩くのは花道から出て來る花川戸の助六や御所の五郎藏と通ふものがあります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...寢ぼけ眼で樣子を踏むと...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...さながら薄氷を踏む思いで部落を通り抜けると...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...「も」の字にも種類ありて「桜の影を踏む人もなし」「人も来ず春行く庭の」「屍(かばね)をさむる人もなし」などいえる「も」はほとんど意味なき「も」にて...
正岡子規 「あきまろに答ふ」
...今まで影踏むばかりのしるしも侍らぬは...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...この形で踏むことが面白いという教えを自分自身の中から受け...
室生犀星 「蜜のあわれ」
...武士が武士として踏むべき道に立っているんだ...
山本周五郎 「夜明けの辻」
...踏むとみしみしと云ふ板の間(ま)で...
與謝野寛 「蓬生」
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