...目に見えぬペダルを踏むようにやはり絶えず動いている...
芥川龍之介 「馬の脚」
...あてもなく踏む異郷の土いまから思えば全く無茶である...
井上貞治郎 「私の履歴書」
...豫定通りの手續きを踏むことにして...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...借家を買ひたい買ひたいといふゆゑ周旋していよいよとなるとこれもまた二の足を踏む人は周旋人が迷惑すとかやいひたり...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...うち笑(え)める老を助けて青き踏む踏青(とうせい)や古き石階あるばかり昭和二年二月二十八日 発行所例会...
高浜虚子 「五百句」
...上り口のコンクリの上踏む草履(ぞうり)の音が...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...そしてほとんど半日以上も一つのところをお百度を踏むようにして...
近松秋江 「狂乱」
...その場合の雇傭関係は自由契約の形式を踏むのである...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...ひとりのみ山踏む時に...
長塚節 「長塚節歌集 上」
...靴に踏む大地は広くもある...
夏目漱石 「虞美人草」
...引っ込みがつかなくなりますよ」ガラッ八が二の足を踏む間に...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...便器のそばのペダルを踏むと...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...柔かな砂土を踏むフェルト草履の感じ...
山本禾太郎 「仙人掌の花」
...少し遅れて後から仏壇へ来た母と擦れ違いに、彼は二階へ上ろうとすると、踏む段ごとに、母と何かが断ち切れたように感じられて涙が出て来た...
横光利一 「旅愁」
...馬も同じ路(みち)踏む都とて...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...急ぐ女の一むれ……女達の踏む所に紅水晶の色の香水光の如くに降り注ぎ...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...黒ずんだ幹の行儀よく並んだ橡樹(マロニエ)の蔭を朝踏む気持は身が緊(しま)る様だ...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...今宵弁慶堀で仇討の作法を踏むと誓言を立てておきながら...
吉川英治 「剣難女難」
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