...こんな有頂天(うちょうてん)な境界(きょうがい)から一歩でも踏み出す事を極端に憎んだ...
有島武郎 「或る女」
...あなたをわずらわさなければ一歩を踏み出す力をも感じ得ない自分の束縛を呪(のろ)いたくもなります...
有島武郎 「或る女」
...一歩も半歩も踏み出すことはおろか...
伊藤野枝 「転機」
...浦島も気をとり直して、両腕をひろげ、魚の掛橋の外に一歩、足を踏み出すと、すつと下に気持よく吸ひ込まれ、頬が微風に吹かれてゐるやうに涼しく、やがてあたりが、緑の樹陰のやうな色合ひになり、琴の音もいよいよ近くに聞えて来たと思ふうちに、亀と並んで正殿の階段の前に立つてゐた...
太宰治 「お伽草紙」
...見る人の想像力は彫刻の外へ一歩も踏み出す事が出来ない...
谷崎潤一郎 「金色の死」
...所謂軍統制・粛軍の武歩を一歩踏み出すに当って...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...一足街路に踏み出すと...
豊島与志雄 「香奠」
...野へ踏み出す機会を...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...少しく外部へ踏み出すや否や...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...踏み出す一歩に恐怖の味を添えること...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...そろそろ踏み出すと...
中里介山 「大菩薩峠」
...霜の道を踏み出すのでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...何か新しい第一歩へ踏み出す熱情で全身が熱くほてつてゐる...
林芙美子 「風媒」
...つまり一歩踏み出す前に四方八方を見廻すということが必要だ...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...ひと足書机(デスク)のほうへ踏み出す...
久生十蘭 「キャラコさん」
...戸口を一歩踏み出すと...
宮原晃一郎 「ラマ塔の秘密」
...彼らは一歩自分の村を踏み出すと...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...一足でも博覧会場から踏み出すことはならねえ...
夢の久作(夢野久作) 「人間腸詰」
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