...廉平は雲を抱(いだ)くがごとく上から望んで、見えるか、見えぬか、慌(あわただ)しく領(うなず)き答えて、直ちに丘の上に踵(くびす)を回(めぐ)らし、栄螺(さざえ)の形に切崩した、処々足がかりの段のある坂を縫って、ぐるぐると駈(か)けて下り、裾(すそ)を伝うて、衝(つ)と高く、ト一飛(ひととび)低く、草を踏み、岩を渡って、およそ十四五分時を経て、ここぞ、と思う山の根の、波に曝(さら)された岩の上...
泉鏡花 「悪獣篇」
...思い/\に麦酒の箱や普請小屋の踏台に腰を掛け...
内田魯庵 「灰燼十万巻」
...昨日雪踏みに来た時...
辻村伊助 「登山の朝」
...それをじっと踏みこたえると...
豊島与志雄 「未来の天才」
...「ずいぶん暗いこと」若い女は外の闇へ足を踏み出しました...
中里介山 「大菩薩峠」
...直ちに後者の頭を踏まんとす...
長塚節 「草津行」
...赤い足袋(たび)を踏んでいた...
夏目漱石 「永日小品」
...代助は又嫂が論理を踏み外したと思った...
夏目漱石 「それから」
...直ぐ溝(どぶ)へ捨ててしまいましたよ」「鍋は?」「ざっと洗ってしまいましたが」「何ということをするのだ」平次は地団太を踏み度い心持でしたが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...サイドへ足を踏んばって...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...ボーセアン夫人の舞踏会では皆の目をひきつけたいと思ってることも知ってるの...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...その曲調も(というのは彼はちょいちょい韻を踏んだ即興詩を自分で伴奏したから)...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「アッシャー家の崩壊」
...「も」の字にも種類ありて「桜の影を踏む人もなし」「人も来ず春行く庭の」「屍(かばね)をさむる人もなし」などいえる「も」はほとんど意味なき「も」にて...
正岡子規 「あきまろに答ふ」
...この通り胡麻畠を踏み荒したからと言われて初めて気付き...
南方熊楠 「十二支考」
...踏んだりけったりして...
三好十郎 「恐怖の季節」
...素足で踏む板敷は氷のように冷たかった...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...出る膿なら踏み潰せ...
横光利一 「旅愁」
...故郷の土は生きて踏まぬと...
吉川英治 「剣難女難」
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