...路次の出口で振返つて見ましたが...
石川啄木 「雲は天才である」
...路次の口に情夫(まぶ)の背を打つ背低い女――うす暗がりに財布(さいふ)を出す...
石川啄木 「詩」
...お路次へ上りましたときと...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...然うして今度は路次のほとりに何氣なく立つて通りかゝつた小供を何氣なく呼んで金を渡した今度は聞えた...
千家元麿 「自分は見た」
...やっぱりあの先にいた路次の中の家主のところに行ってみるのがいいように思われるので...
近松秋江 「狂乱」
...先々月の末に探しあてて行った例の路次裏の方へ行く道順である...
近松秋江 「霜凍る宵」
...母親の姿が路次の曲り角を廻って見えなくなると...
近松秋江 「霜凍る宵」
...ほとんど毎夜のように上京(かみぎょう)の方から遠い道を電車に乗って出て来ては路次の中に忍んで...
近松秋江 「霜凍る宵」
...元気よく路次を出て行った...
徳田秋声 「足迹」
...家は松の家と裏の路次づたいに往来のできる...
徳田秋声 「縮図」
...薄暗い路次の中から広い通りへ出ると...
徳田秋声 「爛」
...狭いうねうねした路次の方へ滑り込んでいった...
豊島与志雄 「悪夢」
...弁信は湿っぽい路次を辿(たど)って...
中里介山 「大菩薩峠」
...狹い石疊の路次へはひつて行き...
野上豐一郎 「大戰脱出記」
...曲りくねった路次を通って先廻りをして...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「外套」
...蚕事(さんじ)試験場の少し手前を右へ折れた路次でやっと目的の家をさがしあてるまでに三十分はたっぷりかかった...
平林初之輔 「夏の夜の冒険」
...路次は狭くて暗かった...
山本周五郎 「末っ子」
...絃(いと)の音(ね)に更けた新道の路次の一軒...
吉川英治 「新・水滸伝」
便利!手書き漢字入力検索