...路次を這入つた突當りより一軒手前の左つ側に此頃建つたと思はるゝ小ざつぱりした家が其であつた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...路次から路次に曲って二三軒往った処であった...
田中貢太郎 「水魔」
...島の内の畳屋町(たたみやまち)の狭い路次を這入(はい)った芸者屋の二階にあった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...すぐ路次の突当りの門をそっと扉(とびら)を押し開いて先きに入り...
近松秋江 「黒髪」
...とある路次裏に母親に会いに往った時の最初の印象を思い浮べてみた...
近松秋江 「霜凍る宵」
...外の路次の方に気がかかるように...
近松秋江 「霜凍る宵」
...細い路次(ろじ)を通つて...
徳田秋聲 「絶望」
...細い路次口に佇(たたず)んでいる細君の耳に...
徳田秋声 「爛」
...裏口は共通の路次になっていた...
豊島与志雄 「未来の天才」
...路次口の暗いところを見込むと...
中里介山 「大菩薩峠」
...「今日路次で会った処の子わらべは眼から光りを放っている...
中里介山 「法然行伝」
...狹い路次を左手へ曲つた...
南部修太郎 「ハルピンの一夜」
...若(もし)又於二路次一就二見付一者...
穂積陳重 「法窓夜話」
...直ぐ其処の路次先にある照子の家へ近附いて行つた...
牧野信一 「公園へ行く道」
...よく細路次の突当りにあつた...
正岡容 「寄席風流」
...どうぞちよいとの間裏(うら)の路次口(ろじぐち)から外へ出てゐて下さいと云ふのだ...
森鴎外 「大塩平八郎」
...時まだ非常の中なればとて路次の行粧行列の儀式前々の臨幸(りんかう)と事替(ことかは)つて百司の守衛(まもり)すべて厳重を極めたりつまりは...
吉川英治 「私本太平記」
...色坊主が百夜通(ももよがよ)いの事路次の角店(かどみせ)――一度は閉(し)めた例の肉屋をまた開業して――石秀(せきしゅう)はもうくだらないムシャクシャなどは...
吉川英治 「新・水滸伝」
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