...兵過ぎて跨下を這ひ出せば...
芥川龍之介 「八宝飯」
...艫(とも)の処に行火(あんか)を跨(また)いで...
泉鏡花 「歌行燈」
...或は火ばさみに跨り...
ルイ・ベルトラン Louis Bertrand 上田敏訳 「サバトの門立」
...すばやくひよいと跨いで墓石の横から正面へ...
小穴隆一 「二つの繪」
...彼(女)は着物も長襦袢もたくしあげて跨(また)ぎ...
武田麟太郎 「釜ヶ崎」
...一と跨(また)ぎの距離なので帽子も被(かぶ)らずに昇降機に走り込み...
谷崎潤一郎 「細雪」
...川を跨(また)いだ大きな鉄橋は暗い夜(よ)の闇の中に其輪廓(りんくわく)をはつきりと描いて居た...
田山花袋 「朝」
...市木さんは竹垣を跨いでやって来て...
豊島与志雄 「絶縁体」
...自轉車に跨(またが)つたまゝ憩みながら...
新美南吉 「坂道」
...「ひと跨ぎくらいのところなの」泳いで渡れるところがあるなら...
久生十蘭 「川波」
...扉といふ扉には一面に煙管を銜へて馬に跨がつた哥薩克の姿が描いてあつた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...一旦その背にしっかりと跨がれば...
ナサニエル・ホーソン Nathaniel Hawthorne 三宅幾三郎訳 「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」
...揚々(やう/\)として肥馬(ひま)に跨(またが)る将軍(しやうぐん)たち...
槇村浩 「生ける銃架」
...私は川か山にまたがる跨り方をして身がまえた...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...その上に跨(また)がって自分で櫂(かい)を動かし始めたようなの……そこいらは...
夢野久作 「支那米の袋」
...長羅は一人高く馬上に跨って対岸を見詰めていた...
横光利一 「日輪」
...漢代(かんのよ)の功臣三国の良将の末裔(すえ)いま赤兎馬(せきとば)に似たるに跨(また)がり繍旗(しゅうき)...
吉川英治 「新・水滸伝」
...十文字峠は信州武州に跨がる山で...
若山牧水 「木枯紀行」
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