...信吾は大跨に杖を医院の玄関に運んだ...
石川啄木 「鳥影」
...――ただし趙家の閾(しきい)だけは跨(また)ぐことが出来ない――何しろ様子がすこぶる変なので...
魯迅 井上紅梅訳 「阿Q正伝」
...肥馬に跨(またが)る貴公子を以て普通人間と思うなかれ...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...本庄は先に立って大跨で飛ぶように歩いた...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「黒猫十三」
...急ににこ/\してその前に立(た)ち跨(はだ)かつた...
薄田泣菫 「茶話」
...森鴎外先生はその頃から団子坂上の藪下という所に居られて馬に跨(またが)って通って居られるのを見かけた...
高村光太郎 「美術学校時代」
...垣はすぐ一跨(ひとまた)ぎのところにあった...
田中貢太郎 「悪僧」
...跨(また)ぐかすると...
谷譲次 「踊る地平線」
...勝手口から出ればその家の裏門が一と跨(また)ぎの所にあった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...忽ち右に大きな鉄橋を跨らせた大河が...
田山録弥 「アンナ、パブロオナ」
...急いで馬の鞍に跨って駈け去ることも...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...市木さんは竹垣を跨いでやって来て...
豊島与志雄 「絶縁体」
...手摺(てすり)へ跨(また)がって...
直木三十五 「南国太平記」
...どうあそばしたのでございます」「実は……」兵馬が閾(しきい)を跨(また)がないで何をか言わんとするのを...
中里介山 「大菩薩峠」
...実は文学の標榜(ひょうぼう)するところは何と何でその表現し得る題目はいかなる範囲に跨(また)がって...
夏目漱石 「作物の批評」
...第八夜床屋の敷居を跨(また)いだら...
夏目漱石 「夢十夜」
...彼等は一人の殺された農夫の上を馬で跨いで通つた...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 堀辰雄訳 「旗手クリストフ・リルケ抄」
...軒下から落ちている腐った竹雨樋(たけどい)を跨(また)いで行って...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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