...そして院が上達部(かんだちめ)や殿上人(てんじょうびと)と御一緒に水飯(すいはん)を召しあがったという釣殿はどのへんにあったのだろうと右の方の岸を見わたすとそのあたりはいちめんに鬱蒼(うっそう)とした森が生(お)いしげりそれがずうっと神社のうしろの方までつづいているのでその森のある広い面積のぜんたいが離宮の遺趾(いし)であることが明かに指摘できるのであった...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...どちらかの側の足の趾(ゆび)が反射的に反りかえる場合には...
谷崎潤一郎 「鍵」
...肱近(ひじちか)のテーブルには青地交趾(せいじこうち)の鉢(はち)に植えたる武者立(むしゃだち)の細竹(さいちく)を置けり...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...戸口(とぐち)に近(ちか)く竊(ひそか)に下駄(げた)の齒(は)の趾(あと)を附(つ)けて置(お)いたり...
長塚節 「土」
...東隣(ひがしどなり)の主人(しゆじん)の庭(には)には此(こ)の日(ひ)も村落(むら)の者(もの)が大勢(おほぜい)集(あつ)まつて大(おほ)きな燒趾(やけあと)の始末(しまつ)に忙殺(ばうさつ)された...
長塚節 「土」
...どうした趾だらうかと思ひながら行くと麁朶を積んだ荷車が來る...
長塚節 「松蟲草」
...箒目のやうな趾はこれだとわかつた...
長塚節 「松蟲草」
...仮にそう呼ばして貰いましょう……この城趾で...
野村胡堂 「古城の真昼」
...趾の裏が今温い方が気持がいい...
原民喜 「焔」
...母家の趾には銘酒屋が立ち並んで景気の好い三味線の音が鳴つてゐる...
牧野信一 「鱗雲」
...趾(あしゆび)の事(こと)だらうね?』と海龜(うみがめ)が念(ねん)を押(お)しました...
レウィス、キァロル Lewis Carroll 丸山英觀訳 「愛ちやんの夢物語」
...雛鶏趾(けづめ)なきに蹴り...
南方熊楠 「十二支考」
...四趾を駢(なら)び生ずるあり...
南方熊楠 「十二支考」
...かの像竹から地下へ抜け失せしまうという(『仏領交趾支那(コシャンシン・フランセーズ)雑誌』一六号に載ったエーモニエの『柬埔※(カンボジヤ)風習俗信記』一三六頁)...
南方熊楠 「十二支考」
...チャボと名古屋交趾(コーチン)とを並べて鳴かせて見ても...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...湯槽(ゆぶね)の中で趾(あしゆび)を動かしてみる位にまで長大な姿になっている...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...呂宋(ルソン)、交趾(コーチ)、安南(アンナン)あたりの舶載品らしい陶器、武器、家具の類から、印度とかペルシャなどから齎(もたら)した物らしい鉱石の塊(かたまり)や、仏像、絵革(えかわ)、聖多黙縞(サンタマリアじま)、それから南蛮船の模型だの、金銀の細工品だの、自鳴鐘(とけい)だの――と数えて行ったら限(き)りもないほどである...
吉川英治 「新書太閤記」
...この古城趾も遠からず...
若杉鳥子 「浅間山麓」
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