...結跏趺坐の金仏だ...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...或(あるい)はトルコ風(ふう)に寐台(ねだい)に趺(あぐら)を坐(か)いて...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六号室」
...瞑目のまま静かに趺坐して両掌を膝に組むこの質素極まる風姿は...
高村光太郎 「本邦肖像彫刻技法の推移」
...十字の繩床(じようしやう)に結跏趺坐(けつかふざ)して阿(うんあ)の行業(かうごふ)に夜の白むを知らず...
高山樗牛 「瀧口入道」
...柳沢は例(いつも)のとおり二階の机の前に趺座(あぐら)をかいていたが私たちが上っていったのを見て...
近松秋江 「うつり香」
...金剛不動の梵山(ほんざん)に趺座(ふざ)して...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...去年勅諚(ちょくじょう)綸旨(りんし)等の事一趺(てつ)すといえども...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...彼は多くの場合に於て極めて沈默なりと雖も、是れ唯だ眠れる獅子の沈默のみ、其勃然として一たび自席を起つや口を開けば惡罵百出、瞋目戟手と相應じて、猛氣殆ど當る可からず、曾て原敬氏を罵つて國賊と爲すや、叱咆哮、奮躍趺宕、恰も狂するものゝ如く、人をして全身の血管悉く破裂せざるかを疑はしめたりき當時某代議士は彼れが感情の滿潮に達するを觀て其或は氣絶せんことを恐れ、竊かに介抱の準備を爲したりと語りしほどなれば、其言動の激烈なりしこと以て想見す可し而も世間彼れの疎狂を咎めずして、反つて彼れに同情を寄與するもの多きは何ぞや...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...彼は多くの場合に於て極めて沈黙なりと雖も、是れ唯だ眠れる獅子の沈黙のみ、其勃然として一たび自席を起つや口を開けば悪罵百出、瞋目戟手と相応じて、猛気殆ど当る可からず、曾て原敬氏を罵つて国賊と為すや、叱咆哮、奮躍趺宕、恰も狂するものゝ如く、人をして全身の血管悉く破裂せざるかを疑はしめたりき当時某代議士は彼れが感情の満潮に達するを観て其或は気絶せんことを恐れ、窃かに介抱の準備を為したりと語りしほどなれば、其言動の激烈なりしこと以て想見す可し而も世間彼れの疎狂を咎めずして、反つて彼れに同情を寄与するもの多きは何ぞや...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...結跏趺坐(けっかふざ)して...
直木三十五 「南国太平記」
...門人達は、低く、経文を誦して、師の呪法を援け、玄白斎は、右手に、杓を、左手に、金剛杵(しょ)を執って、瞑目しつつ、無我無心――自ら、日輪中に、結跏趺坐して、円光を放ち、十方の諸仏、悉く白色となって、身中に入る、という境地で入りかけた...
直木三十五 「南国太平記」
...その工合は臺の上に結跏趺坐(けつかふざ)した佛像が...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...阿那律すなわち前(すす)みて室に入り結跏趺坐(けっかふざ)す...
南方熊楠 「十二支考」
...結跏趺座(けっかふざ)して弥勒の印(いん)を結びたるが...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...さながら趺坐(ふざ)の行者のようにみえる...
吉川英治 「私本太平記」
...趺坐瞑目(ふざめいもく)することしばらく...
吉川英治 「新・水滸伝」
...ここに趺坐(ふざ)すると...
吉川英治 「親鸞」
...趺坐(ふざ)していた跡かのような所も見える...
吉川英治 「宮本武蔵」
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