...葉子は見覚えられているのを恐れるように足早にその前を通りぬけた...
有島武郎 「或る女」
...足早にすたこらと門の反対の方に歩きだしました...
有島武郎 「かたわ者」
...智恵子は足早に裏の方に廻つた...
石川啄木 「鳥影」
...足早にドアの方へ行く)ポポーお待ちになって……スミルノーフ (たちどまる)ええ?ポポーなんでもありません...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「熊」
...」などと病室の前を足早に通りすぎたこともあった...
徳田秋声 「縮図」
...足早に歩いてゐたやうだつた...
富永太郎 「ゆふべみた夢(Etude)」
...おい、お春や、案内して上げな」女狩は(うかうかしていると、危いぞ)と、思って、人々の間を、足早に、奥の方へ入って行った...
直木三十五 「三人の相馬大作」
...益満へ足早に近づいて「何時?」と...
直木三十五 「南国太平記」
...あのように、かたくなでございますから――」「かたくななのは、貴女も、そうで、老人をいじめて――」「何か、いじめましたかしら」「小便をさせないで、出物、はれ物――」「でも、早く参りませぬと、もしも、臥(やす)んでしまいましては――」「何も、そう、周章てて、抱かれに行かずとも――」深雪は、黙って、足早に、歩き出した...
直木三十五 「南国太平記」
...南玉が、狭い板廊下の向うから、俯向いて、湯呑をもって笑いながら、足早に出て来た...
直木三十五 「南国太平記」
...棺の後(あと)を追って足早に刻(きざ)む下駄の音のみが雨に響く...
夏目漱石 「琴のそら音」
...少し足早に明神下へ――それは誠に見事な滑り込みでした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...彼女は庭を過ぎて足早に家の中へはいってしまった...
ホーソーン Nathaniel Hawthorne 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...可成り足早に歩いてゐた...
牧野信一 「失題」
...足早にそこを立去った...
松本泰 「緑衣の女」
...瀧子は何かむっとした心持で足早に家にかえった...
「鏡の中の月」
...彼は足早に横丁へ曲った...
山本周五郎 「風流太平記」
...彼方へ足早に歩いてゆく間も...
吉川英治 「剣の四君子」
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