...別して先方(さき)は足弱だ...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...きり石に足弱(あしよわ)悩み...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...マサカに足弱(あしよわ)を連れて交通の不便なこの際に野越え山越え行方を晦(くら)ましたとは思われない...
内田魯庵 「最後の大杉」
...仲間は足弱(あしよわ)の曼舟氏に構つてはゐなかつた...
薄田泣菫 「茶話」
...なにぶん素人の足弱であるから慎重の上にも慎重を期して...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...思いのほかに足弱でありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...連れの足弱を置去りにするような歩み方ばかりするのは...
中里介山 「大菩薩峠」
...余足弱くして敢て自ら強しといふ...
長塚節 「草津行」
...平次は足弱のお里が来るのを...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...途中、私は足弱なので、連れの方達に別れて、見晴し茶屋からひとりで驢馬に乘る事にした...
林芙美子 「大島行」
...前にも言った通り蜥蜴の足弱小に身ほとんど蛇ほど長きものを見ては誰しも蛇が蜥蜴になるものと思うだろ...
南方熊楠 「十二支考」
...ところが、前夜の合戦と、それからの潰走中に、幼主阿斗、二夫人を始め、足弱な老幼は、あらかた闇に見失ってしまったのである...
吉川英治 「三国志」
...「妃たちもあとから来るであろうな」「まいられます」「足弱な三名が三名とも...
吉川英治 「私本太平記」
...女院や尼前(あまぜ)の足弱は...
吉川英治 「私本太平記」
...――鎌倉から救出して連れていた成良(しげなが)親王・みだい所の登子・またとくに若御料(わかごりょう)(尊氏の一子・千寿王)らの足弱をおいて――そうした短気はおこしえないところであった...
吉川英治 「私本太平記」
...小(ささ)やかな食器家財などを持ち、老いたるを負い、病人を励まし、乳のみ児を抱き、足弱を曳きつれ、火の家を出て、剣槍の下を奔(はし)る髪おどろな人影が――武者たちの眼を幾度かよぎった...
吉川英治 「新書太閤記」
...そのうちに、京の大火の晩に、足弱な老母は、煙にまかれて死ぬし、妻は病気になる、子は、流行病(はやりやま)いにかかるという始末...
吉川英治 「親鸞」
...どんなお方で」「嬰児(あかご)を負ぶった足弱な女だ...
吉川英治 「野槌の百」
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