...彼は一足先に学校に行った...
...雨の日は傘をささずに穴が開いた靴で歩くと、足先から水が染みてしまう...
...浄火の熱で、足先がポカポカに温かくなります...
...」お鈴は甲野よりも一足先に小走りに廊下を急いで行った...
芥川龍之介 「玄鶴山房」
...それは生活の進歩を一足先に見越して...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...突撃隊よりも一足先にこの山中にまぎれこみ...
海野十三 「火星兵団」
...僕は「黄谷青二氏」の方には一足先へ帰って貰うことにし...
海野十三 「深夜の市長」
...やうやくの事で體を丸くして人の足先を顏近く戴いて横にさせて貰ひました...
江南文三 「佐渡が島のこと」
...ただ一足先へ行くか行かないかというくらいの違いに過ぎないものである...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...「今月ハ何ダネ」「チャプリンノ『独裁者』」一ト足先ニヒルマンガ走リ出シテ消エテ行ッタ...
谷崎潤一郎 「瘋癲老人日記」
...一足先きに出てるよ」「どうぞ――すぐあとから僕も行きます」で...
田山録弥 「海をわたる」
...切断された足先の重量が...
豊島与志雄 「奇怪な話」
...湯たんぽを入れた足先になお冷たい感じがあり...
豊島与志雄 「古木」
...氷のように冷たくなってるアンナの足先を両手に取って...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...十九「危険(あぶの)うございます」と云って宜道(ぎどう)は一足先へ暗い石段を下りた...
夏目漱石 「門」
...一と足先に嗅ぎ付けて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...銭形の親分」一と足先に帰って来たお品は...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...そうしてお隣りへお前を迎えにやって置いて、一足先に、村のなかを御案内していることにした...
堀辰雄 「楡の家」
...但(ただし)足先の垢(あか)はアルコールにて取れねば一ヶ月に一度位脚湯(あしゆ)するなり...
正岡子規 「明治卅三年十月十五日記事」
...眼丈が体の他の部分より一足先に交際を初めたのだ...
松永延造 「職工と微笑」
...では、両人、ひと足先へ」と、東儀与力は、物蔭に頃あいを計っている加山と波越へ眼くばせをして急がせ、また、ふところからは一通の書面をとり出して、「先刻、密使をつかわしてあるから、委細はお聞き及びの通りであるが――と申し添えて、これをお奉行の手へ届け、羅門塔十郎に交渉(わたり)をつけること、よろしくご配慮を仰ぐと申して、来い」と、ひとりの部下に耳打ちをして、すぐにその場から走らせた...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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