...君はただいちずにがむしゃらに本道から道のない積雪の中に足を踏み入れる...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...自分の書斎に足を踏み入れるや...
海野十三 「すり替え怪画」
...謡を習うのでも三味線を弾くのでもまず皮切をするということがその芸術に足を踏み入れる第一歩でありますが...
高浜虚子 「俳句の作りよう」
...そういう心持でいては古人のやらなかった境地に足を踏み入れるどころか...
高浜虚子 「俳句の作りよう」
...頭を上げて岩上を見ると上には驚くほど無數の種類の草木が足を踏み入れる隙もないまでに雜然と密生してゐて...
近松秋江 「湖光島影」
...教会堂へ足を踏み入れることを欲しなかったほど...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...ほとんど誰も足を踏み入れる者がありませんでした...
豊島与志雄 「夢の卵」
...また竜王松原の中へ足を踏み入れること一歩...
中里介山 「大菩薩峠」
...そのうち仕事の関係で彼は盛場裏の酒場や露次奥の喫茶店に足を踏み入れることが急に増(ふ)えて来た...
原民喜 「火の唇」
...妹が部屋へ足を踏み入れるだけで...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「変身」
...どんな高貴な場所にも足を踏み入れることが出来るのよ...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...あゝいふ世界に足を踏み入れるぞ...
牧野信一 「思ひ出した事(松竹座)」
...到底足を踏み入れることさへ出来なかつた...
三木露風 「トラピスト天使園の童貞」
...その又裏は加賀侯以来の山上御殿(震災前の話である)を囲る古池に添うた道に接してその間の若干坪の空地には足を踏み入れる所もない程熊笹に混って萱草蓬の類が生い茂っている...
森於菟 「屍体異変」
...山東から足を踏み入れるとしましょう...
柳宗悦 「北支の民藝(放送講演)」
...線路の横の赤土道に足を踏み入れると同時に...
夢野久作 「木魂」
...そしておずおずと足を踏み入れるばかりな狭い土間の中へ入ってまず奥を覗いた...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...足を踏み入れることも測鉛を投ずることも叶わぬこの南の世界の悠遠の死を...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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