...醜いものを十分に淨化するに足る程の高貴なる態度なしに...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...その議論においてももちろん偉とするに足るものあることなし...
伊藤左千夫 「絶対的人格」
...會計の方が足るまい――さう高い會費を取れば...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...郷愁をそそるに足るものがあつた...
太宰治 「お伽草紙」
...此の特色を窺(うかゞ)うに足る一例であって...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...國民の代表者としては正義を擔保するに足る是れ余が深く彼れを多とする所以なり余之れを聞く...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...最早一政党を代表したる面目の以て中外に示すに足るものあらずと為したるがゆゑなり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...一体江戸名所には昔からそれほど誇るに足るべき風景も建築もある訳ではない...
永井荷風 「日和下駄」
...ひそかに吾(わが)校将来の前途(ぜんと)に危惧(きぐ)の念を抱(いだ)かしむるに足る珍事(ちんじ)でありまして...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...話すに足るとでも思ったのであろう...
夏目漱石 「正岡子規」
...未だ十分吾人の意を充たすに足るものが尠い...
松村任三 「大植物圖鑑」
...その結果としてその資本が雇傭し得る者を養うに足る食物を輸入することが出来るようになる...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...諸魔を平らぐるに足るなど信じた...
南方熊楠 「十二支考」
...その傾聴するに足ることは何人(なにひと)と雖も首肯すべきであらう...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...足ることを知つてゐることである...
森林太郎 「高瀬舟」
...確かに当時の農村人を驚歎せしめるに足るものがあったが...
柳田国男 「木綿以前の事」
...また一篇の篤農家傳を成すに足るほどなものであるが...
吉川英治 「折々の記」
...驍名(ぎょうめい)敵を畏怖(いふ)せしめるに足る猛将利三(としみつ)が...
吉川英治 「新書太閤記」
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