...園は一人の勤勉な科学者であればそれで足りるのに...
有島武郎 「星座」
...幾ら涙があつても足りる訳はなかつた...
薄田泣菫 「茶話」
...摺鉢の欠けたのでも事は足りる茶の湯だつたから...
薄田泣菫 「茶話」
...人の心を動かすに足りるものがあつた...
田山録弥 「初冬の記事」
...それで充分事が足りると考えられる傾きが支配的だが(併しそれでも最近の政治的反動時代に相応しく...
戸坂潤 「科学論」
...カント等が如何に問題の多くをニュートンに負うているかを注目すれば足りるだろう...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...妻へ話しても用は足りる訳だ...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...僅かな配慮で足りる...
豊島与志雄 「自由人」
...ただ一つの神が通ればそれで足りる...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...市中(しちゆう)の生活に興味を持つものには物揚場(ものあげば)の光景も亦(また)しばし杖を留(とゞ)むるに足りる...
永井荷風 「水 附渡船」
...「下宿屋のまずい飯を一日に十ぺん食ったらもの足りるようになるか考えてみろ」といきなり警句でもって三四郎をどやしつけた...
夏目漱石 「三四郎」
...その聯想にまかせ得るだけの中心點を捉へ得ればそれで足りるのであつて...
夏目漱石 「「自然を寫す文章」」
...あれで足りるかしらとも思う...
林芙美子 「新版 放浪記」
...なんでも居なりで用が足りるし……こういっちゃなんですが...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...大量生産の半数がモノになれば実費を償うに足りる...
宮武外骨 「一円本流行の害毒と其裏面談」
...我々はほんとうにこういいわけをすれば足りる...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...線こそはその情を訴えるに足りる最も適した道であった...
柳宗悦 「民藝四十年」
...むしろ小さな慾の足りるところで汗を惜しんで...
吉川英治 「新書太閤記」
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