...もし果して十何文かを足し前すれば...
魯迅 井上紅梅訳 「孔乙己」
...次ぎにまた一枚に付き五錢づつ貰つて帶を買ふその足し前にしようと云つてたルビ附けにも飽きが來たのである...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...発行人に幾らか出版費の足し前を出すとか...
薄田泣菫 「茶話」
...その生活の足し前として絵画を習い出したので...
中里介山 「大菩薩峠」
...いくら足し前をするんだろうなどと入らざる事を苦(く)に病(や)んでいると...
夏目漱石 「坑夫」
...それと同額(がく)ぐらゐの足し前を祖(そ)母にせがんで漸(やうや)く理想(りそう)に近い寫眞器(しやしんき)を買つたそれは可成(かな)り明(あか)るいアナスチグマツトレンズに百分の一秒(べう)まで利くオオトシヤツタア裝置(そうち)を持つプレモ形(かた)の二枚(まい)掛(かけ)寫眞器(しやしんき)で...
南部修太郎 「寫眞と思ひ出」
...三百円の足し前)で随分知らず/″\に金が出てゐるが...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...そのうちの二三枚を馬淵の内儀さんが分けてもらって小遣い銭の足し前にしていた...
矢田津世子 「神楽坂」
...内職の袋貼りなどで得た稼ぎ高を自分の食い扶持の足し前にしてくれるように...
矢田津世子 「神楽坂」
...暮しのほうの足し前は...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...勝手元の小物だの惣菜だのを買う時にはその縫い賃を足し前にしている...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
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