...もし果して十何文かを足し前すれば...
魯迅 井上紅梅訳 「孔乙己」
...また、無類の入浴好きで、場合によつては日に二度も三度も、用足しの途中、行き当りばつたりに馴染(なじみ)のない銭湯に飛び込む癖さへある私だが、そして、その度毎に莫迦(ばか)叮嚀に洗ひ浄めねばやまぬ私にも拘(かかは)らず、何かの都合で、一日二日入れずにゐると、もう、あの浴後の全身がさつぱりと軽くなり、豊かにのびのびとしたありがたい感触を忘れて了つたかのやうになる...
武田麟太郎 「大凶の籤」
...繪の具の買ひ足しにいつて...
竹久夢二 「砂がき」
...「このごろスメルジャコフは、食事のたんびに出しゃばりおるが、よっぽどおまえが珍しいのだとみえる、いったいおまえはどうしてあいつを籠絡(ろうらく)したんだい?」と、彼はイワン・フョードロヴィッチに向かって、こう言い足した...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...從つて僞りの有限性に強ひて滿足しようとする...
波多野精一 「時と永遠」
...あたしにはちっとも不思議じゃないわ」「フリーダはここでとても満足していましたよ」と...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...と言うことだけで満足してはならないのであり...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...むつかしい文句を一気に言つてしまつたことに心から満足してゐた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...あんな奴はぶち殺してやりたいほど癪(しゃく)にさわっていました」と付け足した...
平林初之輔 「誰が何故彼を殺したか」
...満足した事務的な風采(ふうさい)をしていて...
エドガア・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「群集の人」
...明らかに職長は作業に満足している...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...公衆はまだ満足しない...
牧逸馬 「運命のSOS」
...火鉢の炭をつぎ足していて...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...二階から階下まで行って小用を足したが...
室生犀星 「三階の家」
...館本を以て補足した...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...どうも女の手ではどうする事も出来ませんでございます」と女は言い足した...
森鴎外 「雁」
...からくも一同は生命を保っている様子であるとも云い足した...
吉川英治 「新書太閤記」
...それから何代かの間を経てあちらに継ぎ足しこちらを造作して今日に及んでゐるらしい...
若山牧水 「村住居の秋」
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