...いろいろと風景に趣のあるよいところであった...
上村松園 「余齢初旅」
...そうしてこれらは「釣瓶取られて」の句や「我ものと」の句などとくらべて大変趣の違うことをその時分の幼い心にも了解することができたのであります...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...しかしながらその弊は身に沁(し)み込むような趣の深い句はどうしてもできにくいという点にあります...
高浜虚子 「俳句の作りよう」
...その次に同様の趣の処はちゃんと前例によって旨くやってある...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...清楚な趣のあった女のように思われる...
田中貢太郎 「愛卿伝」
...しかし現代の子供の絵本のあくどい色刷りなどに比較して考えるとむしろ一種稚拙にひなびた風趣のあるものであったようにも思われる...
寺田寅彦 「物売りの声」
...星にかかった雲のような趣のある起き出たばかりの淡装で立っていた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...このオルガナイズの情趣の上に在る...
中井正一 「レンズとフィルム」
...此れは黒木の生えた山懷深く喰ひ入つて趣のありさうな谷である...
沼井鐵太郎 「黒岩山を探る」
...こうした景趣の村は関西地方に多く...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...全く詩趣の特色についてのみ見た意味であり...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...たまさかに問へば趣のなき天王寺...
萩原朔太郎 「短歌」
...また奥深き深山でも極めて広範囲に亙(わた)って何処でも到る処に生い茂っていて趣のあるものであるから...
牧野富太郎 「植物記」
...痩(や)せるには痩せたがかえって艶(えん)な趣の添った源氏は...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...予期した以上の高華(こうげ)な趣の添った女性らしくまず宮はお思いになったのであった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...月今宵は少くも灑脱(しやだつ)の趣のある句である...
森鴎外 「壽阿彌の手紙」
...景趣の変化につれて旅らしい軽快をもってきたが...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...武蔵に意趣のあるわけでもない...
吉川英治 「宮本武蔵」
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