...少し後れながら淋しい趣きをそえつつ同じ声をもって来る...
飯田蛇笏 「茸をたずねる」
...少なからぬ「疲勞」の憔悴が此大氣をして一層「悄然」の趣きを深くせしむる陰影を作(な)して居る...
石川啄木 「雲は天才である」
...九手古奈がどこやら忍男(おしを)に冷淡な趣きのあつたのも別に深き意味があつての事ではなかつた...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...彼等は早くから大和朝廷に於ける中央文化圈の佛教とは趣きを異にした別種の佛教...
竹内勝太郎 「淡路人形座訪問」
...物語といふよりは詩や歌の趣きさへ呈してゐる...
太宰治 「お伽草紙」
...そしてまたあどけなく途方に暮れた趣きもあッた...
イワン・ツルゲーネフ Ivan Turgenev 二葉亭四迷訳 「あいびき」
...須臾(しゅゆ)も相離れざるの趣きありき...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...蟄居(ちっきょ)の身分に在(あ)るとも下総守殿通行の途中へ罷(まかり)出で御処置を相伺い見込の趣き申立て...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...その味は飽くまで豪宕(ごうとう)といった趣きだが...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...一種瓢逸な趣きもあって...
久生十蘭 「魔都」
...又縹渺として捕へ難い趣きもあり...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...しかし如何にもよい訓へだと感心してゐる趣きも見える...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...地上の時とは趣きの異つた掴み合ひを続けるうちに岸辺を離れると流れの中央に浮び出て行つた...
牧野信一 「ベツコウ蜂」
...わたしの歌が一向に詩人の趣きをつたへて荘重ではなく Haunted――どころか...
牧野信一 「幽霊の出る宮殿」
...それぞれ趣きがあってよい...
宮城道雄 「音の世界に生きる」
...つまりいつも「今描いている」趣きがあります...
柳宗悦 「益子の絵土瓶」
...かすかに傾いた趣きでいよいよ全幅を二人の前へ現した...
横光利一 「旅愁」
...そして自ずと光りかがようという趣きがある...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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