...ひとり實割れるばかり豐(ふくよ)かな趣きを見せて居る此『野菜の王』を...
石川啄木 「葬列」
...情けないうちにもなお何となく趣きのある生涯じゃないか...
大杉栄 「獄中消息」
...今夜は全く別な趣きを持つて見えた...
竹久夢二 「砂がき」
...それが渺茫(びょうぼう)としているだけに何やら空々たる趣きがあった...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「作男・ゴーの名誉」
...麁末之辨當申付候」といふところで大舞臺の幕切れといふ趣きであるが...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...また機械でうごく船をみて人々がおどろいた趣きも書いてある...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...一しお趣きを添えていた...
豊島与志雄 「或る女の手記」
...手触(てざわ)りに意味を探るというような趣きだった...
萩原朔太郎 「猫町」
...心情いささか駘蕩(たいとう)たる趣きを呈(てい)しかけて来たところ...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...実にどうも奇想天外の趣きがありますなア...
久生十蘭 「魔都」
...皆それぞれ趣きを異にしており...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...しかしまた脱俗した趣きもあり健康時には反つて出来さうにもない歌である...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...旅の歌が作の全部となつた頃僅に見出される純抒情詩で縹渺たる趣きはあるが中味の捕へようのないものが多い...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...趣き〕を浮かび上がらせている点では...
平林初之輔 「探偵小説壇の諸傾向」
...ちよつと趣きがあるぜ――電灯を消さうか...
牧野信一 「断唱」
...他のどんな窯場にも見ない趣きを呈する...
柳宗悦 「現在の日本民窯」
...大きいのになると堂々たる趣きさえあります...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...かすかに傾いた趣きでいよいよ全幅を二人の前へ現した...
横光利一 「旅愁」
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