...九手古奈がどこやら忍男(おしを)に冷淡な趣きのあつたのも別に深き意味があつての事ではなかつた...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...丁度ドストエフスキーの『虐(しいた)げられた人々』中のイユメニエフという老人が青年作家たる若い甥(おい)の評判高い処女作を読んで意外な作才に驚くと同一の趣きがあった...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...「池田大助」の方はこれとは趣きを変えて...
江戸川乱歩 「探偵小説このごろ」
...わたしは世の中にできるだけ多くの趣きのちがった人間がいることをのぞむからである...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...厭な気取のないところに古雅な趣きをもつた奥の八畳が...
徳田秋聲 「草いきれ」
...これは全く格別の趣きである...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...早くも春雨の趣きあり...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...伯母君は隣村の親族がり年始の礼にと趣き給ひしが...
樋口一葉 「雪の日」
...真名古抒情の事並に二人の総監の事すこし広すぎる趣きの捜査課長室に...
久生十蘭 「魔都」
...然らざる読者層の為には晶子歌の完成した縹渺たる趣きを早く知つて貰ひたく晩年の作から逆に交互に拾つて行くことにする...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...偶満洲から出て来た私が一日夫人の行きたがつてゐる趣きを先生の耳に入れた処...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...速かに使いの趣きを言え...
林不忘 「若き日の成吉思汗」
...御手紙の御趣き承知いたしました...
牧野信一 「はがき通信」
...大まかに寂び廃れた趣きよし...
宮本百合子 「金色の秋の暮」
...姿には堂々たる趣きがあつた...
柳宗悦 「赤絵鉢」
...つまりいつも「今描いている」趣きがあります...
柳宗悦 「益子の絵土瓶」
...「随処に主たり」という趣きが現れます...
柳宗悦 「益子の絵土瓶」
...たゞの野原であるのより遙かに趣きが深いのだ...
若山牧水 「樹木とその葉」
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