...殿樣が襤褸を着て御菰になつた趣があるとも云へよう...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...行手を遮る趣がある...
泉鏡花 「貝の穴に河童の居る事」
...趣があるなどというような詰まらぬ絵は描かんと申します...
上村松園 「私の仕事 松篁の仕事」
...大塚匠作(おおつかしょうさく)父子の孤忠および芳流閣の終曲として余情嫋々(じょうじょう)たる限りなき詩趣がある...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...「これはなかなか独特の野趣がある...
大鹿卓 「金山※[#「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2-13-28]話」
...明治初年に沒したる大通中の大通細木香以を思はせる態の灑脱の趣があるのである...
太宰治 「人物に就いて」
...あの花には原始日本的情趣があると思ふ...
種田山頭火 「行乞記」
...佃煮といふものは日本的情趣がある...
種田山頭火 「其中日記」
...そして細かく入つて行くといふ趣がある...
田山録弥 「J. K. Huys Mans の小説」
...ドシドシその根柢に向つて進んで行つたといふ趣がある...
田山録弥 「明治文学の概観」
...各人各調なので恰も春の夜に騒蛙を聞く趣がある...
知里真志保 「アイヌ族の俚謡」
...スマラグド色の眼と石竹(せきちく)色の唇をもつこの雄猫の風貌にはどこかエキゾチックな趣がある...
寺田寅彦 「ある探偵事件」
...初期の映画で常套的(じょうとうてき)に行なわれた「追っ駆け」を基調とする構成の趣があると言われよう...
寺田寅彦 「映画芸術」
...やはり何となく東京らしい固有な趣があるような気がするであろう...
永井荷風 「日和下駄」
...夜は夜でまた別の趣があるとなつて居つたらしく...
原勝郎 「鞦韆考」
...今これを読んで見るとすこぶる趣がある...
牧野富太郎 「植物記」
...辰巳(たつみ)芸者の歯切れのいい啖呵(たんか)と意気地に生きた趣がある...
吉川英治 「随筆 新平家」
...兄弟ぶんの意趣があるぞ...
吉川英治 「宮本武蔵」
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