...それ故私の趣味は常に変遷転々(へんせんてんてん)として極まるを知らず...
淡島寒月 「亡び行く江戸趣味」
...凡(およ)そ半月あまり趣向を凝(こら)されたるものに候よし...
泉鏡花 「凱旋祭」
...フランス人の趣味というものはこんなに下劣なものだろうか...
大杉栄 「日本脱出記」
...多少盆栽趣味も加つてゐるらしく見うけられる...
田畑修一郎 「出雲鉄と安来節」
...富士山の姿と天の橋立の趣きから遠ざかり過ぎてゐる事を自分は不思議に感ずるのである...
永井荷風 「海洋の旅」
...はじめは談判不調(尤(もっと)も与謝野(よさの)君との間の略式の話について)次にはまた再度貴兄及び塾と談合をはじめたる趣を書添へをり候とにかく雑誌御経営の困難御察申候これにつき森先生の意見は如何に候や小生の考にては原稿料は多少他よりも高く見積りて置く事必要なるは先日申したる如くに候が何もづぬけて高くするにも及ばずはじめよりあまり多く売らむと計りても無益かと存候...
永井荷風 「書かでもの記」
...いっそ趣をかえて江戸風俗の美人画でも写してみようか...
中里介山 「大菩薩峠」
...これも英国風な貴族趣味の一面なのであらう...
中谷宇吉郎 「ツーン湖のほとり」
...この曲の持つ熱情と力感――バッカスの狂乱――と言われた趣は...
野村胡堂 「楽聖物語」
...その趣旨を傳達し...
平林初之輔 「政治的價値と藝術的價値 マルクス主義文學理論の再吟味」
...その働きの趣を詮索して真実を発明するにあり...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...すこぶる趣(おもむき)がある...
牧野富太郎 「植物知識」
...全体俗にして一点の雅趣なき者もまた月並調とはいふ...
正岡子規 「墨汁一滴」
...「併し私の趣味が既に文學にあるとすれば保險業者として私が父の如く成功するや否やは疑問です」と洒々として新歸朝の青年文士は述べてゐる...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...手拭を腰に下げる趣味も持っていない順二郎は...
「海流」
...浅い趣味の茶人たちや利己的な商人の介入ほどこの窯に毒を流すものはあるまい...
柳宗悦 「小鹿田窯への懸念」
...加留多をよせ集めると次には遊戯の趣向をかえて...
吉川英治 「江戸三国志」
...愛劍家の劍に對する、工藝家の建築に關する、呉服屋さんの服裝に關する、地方人の植物や地理に關する――すべて、職業か、趣味かに於いて、一人に一つづつは、必ず、何か、作家より專門的な、ふかい知識を持つてゐるものだ...
吉川英治 「折々の記」
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