...扁(ひらた)い、膩(あぶら)ぎつた、赤黒い顔には、深く刻んだ縦皺が、真黒な眉と眉の間に一本...
石川啄木 「刑余の叔父」
...その赤黒い大きい顏には...
石川啄木 「赤痢」
...蝦夷松(えぞまつ)の枝からふり落ちるどす黒い――雌は赤黒い――ダニが...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...そこらにころがっている赤黒い怪物は...
海野十三 「火星兵団」
...この壜に入っている異様な赤黒い物こそ...
海野十三 「人間灰」
...火床(かしょう)の前の煉瓦敷(れんがじ)きの上に溜っている赤黒いペンキのようなものを突いた...
海野十三 「蠅男」
...赤黒い血の色に変った...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...黒紋付から抜きでている赤黒い頸や皺の太い顔つきが...
大鹿卓 「金山※[#「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2-13-28]話」
...赤黒い顔に鉄縁の眼鏡を掛け...
中原中也 「校長」
...赤黒い胸をぴちやぴちや叩きつけてゐるのも...
林芙美子 「浮雲」
...赤黒い顔が、次第に、青味を帯びて行く...
火野葦平 「花と龍」
...どろどろした赤黒い重油が...
平田晋策 「昭和遊撃隊」
...赤黒い斑点を指摘し得た...
牧逸馬 「土から手が」
...二島抜けの法印、破(や)れ行灯(あんどん)の、赤黒い、鈍い灯火(あかり)の下に、大あぐら、古ぬの子から、毛深い胸を出して、たった一人、所在なさげに、白丁(はくちょう)から、欠茶碗に、冷酒をついでは、ごくりごくりと飲(や)っているが、もう一升徳利が一本、五合のが、二本目も尽きかけて来ているのだ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...赤黒い色の大きな痣があった...
山本周五郎 「青べか物語」
...そのうちにある広場を上ったところに重苦しい赤黒い建築物を一つ見た...
横光利一 「欧洲紀行」
...しかも身を反らしてそれを赤黒い巨大なものに怒(いか)らしてみせながら...
吉川英治 「美しい日本の歴史」
...見れば目の前の小さな入江向うの崎の鼻が赤黒い土煙を擧げて海の中へ崩れ落つるところであつた...
若山牧水 「樹木とその葉」
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