...時には大きな蟇を赤裸にしたのをぶら下げたり鰻を棒の先きにくゝりつけて田圃路を帰つて来ることなどもあつた...
飯田蛇笏 「秋風」
...腰から上は赤裸になり...
海野十三 「太平洋雷撃戦隊」
...さうしなければ此一萬千百圓で拂下げた爲に山が赤裸になつて山口が崩れる...
田中正造 「土地兼併の罪惡」
...脚神速のアキリュウス、勇める眼(まみ)に見るところ、彼は赤裸に、兜無く、盾なく、更に槍も無し、 50すべて是らを地の上に彼悉く投げ棄てぬ、汗は川より逃れ來し彼を弱らせ、兩膝は疲勞に惱む――之を見てペーレーデース怒り曰ふ、『何らの奇怪! 今われの眼(まみ)に親しく映るもの!彼の勇猛のトロイアの軍勢われの討ちしもの、 55陰霧の暗の郷を出で再びこゝに現はれむ、見よ秀麗のレームノス郷に賣られし彼は今、不幸の運を免れてこゝに來れり、海岸の白波は衆を捕ふるも彼を抑ゆることあらず...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...彼は最も高尚な魂をも赤裸になして...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...古臭い自分らの魂を赤裸になした後...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...マドンナのような眼で人々の魂や身体を赤裸に看破しながら...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...言葉からあらゆる慣習の衣を剥ぎ取り原始的赤裸に還元した意味での...
豊島与志雄 「情意の干満」
...利己心を去って赤裸に物を観じ得る人...
豊島与志雄 「野に声なし」
...今日は全く赤裸にかえって...
中里介山 「大菩薩峠」
...赤裸にすべての権能を附与せんと試みる...
夏目漱石 「草枕」
...口もとの尖ったのが赤裸に菰を纒っているのは...
久生十蘭 「ボニン島物語」
...心強く感じて赤裸にて微力を傾注するのである...
平野長蔵 「尾瀬沼の四季」
...網袋に鼠の赤裸になつたやうな小鳥が...
室生犀星 「命」
...モンテーニュが最も赤裸に自分を示しているその「旅日記」を見ても...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...擒人(とりこ)ども六十余名の太刀物の具をはぎ取って赤裸になし...
吉川英治 「三国志」
...そして貪欲(どんよく)な自己を一そう赤裸にした...
吉川英治 「新・水滸伝」
...赤裸に茜染(あかねぞめ)の下帯...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索