...やれ赤蛙(あかがへる)が可(い)い事(こと)の...
泉鏡太郎 「一席話」
...よい朝のよい御飯が出来た草ふかくおどりあがつたよ赤蛙晴れさうなきりぎりすのないてはとぶ・ちぎられてまた伸びてもう咲いてゐる・いつもかはらぬお地蔵さんで青田風・水音をふんで下ればほととぎす・しづむ陽をまへにして待つてゐる・すつぱだかへとんぼとまらうとするか・ふりかへるうしろすがたが年よつた雑草にうづもれてゐるてふてふとわたくし・とんできたかよ螢いつぴき六月廿八日早すぎるけれど...
種田山頭火 「行乞記」
...ぴよんぴよん赤蛙・あすは来るといふ雨の蕗を煮てをく(澄太さんに)・てふてふなかよく花がなんぼでも・てふてふとんで筍みつけた・晴れわたり蓮の葉のあたらしい色青葉へ錫杖の音を見送る(禅海坊に)・あるきまはつてふたゝびこゝへ桐の花(改作再録)七月二日眼がさめたら夜明けらしいのですぐ起きる...
種田山頭火 「行乞記」
...・山頭火には其中庵がよい雑草の花・糸瓜伸びたいだけのぼつたりさがつたりして花つけた・風はうらから風鈴の音もつゝましく・仏前しづかに蝶々きてとまる・もどつてきたぞ赤蛙・ひえ/″\として夜明ける風鈴のなる・なにかつかみたい糸瓜の蔓で朝の風ふく・草のすゞしさは雀もきてあそぶ八月一日ねた...
種田山頭火 「行乞記」
...井手君に・待ちきれないでそこらまで夕焼ける空・柱いつぽんをのぼりつくだりつ蟻のまいにち・ひるねの夢をよこぎつて青とかげのうつくしさ(松)改作・ひとりとんでは赤蛙(松)改作・暮れるとやもりが障子に恋のたはむれ七月十九日晴曇...
種田山頭火 「其中日記」
......
種田山頭火 「草木塔」
...赤蛙は皮を剥ぎ醤油をつけ焼く時は味よし...
永井荷風 「礫川※[#「彳+淌のつくり」、第3水準1-84-33]※[#「彳+羊」、第3水準1-84-32]記」
...虎蔵わが供をなして土筆を摘み赤蛙を捕りての帰道...
永井荷風 「礫川※[#「彳+淌のつくり」、第3水準1-84-33]※[#「彳+羊」、第3水準1-84-32]記」
...私の幼少の時は「柳の虫や赤蛙(あかがえる)」などと云って売りに来た...
夏目漱石 「道楽と職業」
...赤蛙などは食い厭(あ)きていたくらいなところだから...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...むやみに赤蛙がとびだす...
久生十蘭 「蛙料理」
...池には赤蛙だけがいるのではない...
久生十蘭 「だいこん」
...赤蛙の腿と図に乗って食べすぎた焼馬鈴薯の一部が消化しきれずに胃袋の底に残っている...
久生十蘭 「だいこん」
...また赤蛙(あかひき)を肝の薬だといって食わされ...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
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正岡子規 「古池の句の弁」
...赤蛙はいつの間にか娘の口の中へ呑み込まれたのです...
室生犀星 「不思議な国の話」
...それと入れ違いに今度は赤い兵隊の服を着た赤蛙が先に立って...
夢野久作 「オシャベリ姫」
...室中にいた疣蛙も赤蛙も青蛙もみんな一時に床の上にひれ伏してしまいました...
夢野久作 「オシャベリ姫」
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