...骨と皮ばかりに痩せて了つた赤犬が一疋坐つてゐた...
石川啄木 「散文詩」
...餓ゑに餓ゑてゐた赤犬が...
石川啄木 「散文詩」
...赤犬は、ときどき立ちどまっては、泣きながら、こごえた足をかわるがわる持ちあげて、どうしてこう道にまようようなへまなことをしでかしたんだろうと一生けんめい考えた...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「カシタンカ」
...赤犬は、とある家の車よせにかじりついて、はげしく鳴き始めた...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「カシタンカ」
...赤犬は、新しい主人がふかぶかとひじかけいすに腰をおろして葉巻をふかしているあいだに、しっぽをふりながら、この見知らぬ男のところと、さしもの師のところと、どっちがいいかという問題を考えてみた...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「カシタンカ」
...赤犬の肉は黴毒の患者に著しい効験があると一般に信ぜられて居るのである...
長塚節 「太十と其犬」
...赤犬の肉は佳味いといわれて居る...
長塚節 「太十と其犬」
...大きな赤犬が、入口の用水桶(ようすいおけ)の下にうずくまってこちらを見ているのだった...
新美南吉 「最後の胡弓弾き」
...敷臺(しきだい)に隣の赤犬が寢そべつて居るんだが蹴飛ばしても喰ひ付きやしませんか」「丁寧に挨拶をして通るんだよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...角の酒屋の赤犬が...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...不思議なことに一度何處かへ逃げてしまつた手飼の赤犬が...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...伍助の赤犬(あか)でないとすると...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...八五郎は隣りの赤犬と一緒に沓脱(くつぬぎ)に顎(あご)を並べるのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...そのうしろで小さな赤犬が一匹何か切(しき)りにはしやいでゐるのが見えました...
牧野信一 「砂浜」
...了意の『東海道名所記』に「大きなる赤犬かけ出てすきまなく吠えかかる云々...
南方熊楠 「十二支考」
......
三好達治 「わが路ゆかむ」
...いきなりワンと噛みついてきた赤犬を...
吉川英治 「大岡越前」
...子供だけで、沢山なのに、病人の女房の裾に、赤犬が、後足を嘗(な)めていたので、「こいつッ」と、家へ上がるが早いか、蔵六は、手の弁当箱を投げつけた...
吉川英治 「雲霧閻魔帳」
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