...軒先に「たばこ」と抜いた赤塗りの看板が出てゐるから...
芥川龍之介 「あばばばば」
...義雄が常に見慣れた赤塗りの機關釜も...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...どういうつもりか「電気」の二字が赤塗になっている...
海野十三 「名士訪問記」
...赤塗の四角なる家の點綴せるは...
大町桂月 「碓氷峠」
...スワン&エドガアの赤塗り荷物自動車...
谷譲次 「踊る地平線」
...新しい一箇(ひとつ)の赤塗の大きな喞筒(ポンプ)が据(す)ゑられてあつて...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...赤塗りの本箱の上に...
豊島与志雄 「復讐」
...それから本館を出て赤塗の古風な門をくぐって...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...其(その)赤塗(あかぬり)の表(おもて)には名宛(なあて)も何(なに)も書(か)かないで...
夏目漱石 「それから」
...水中にやゝ淺く木彫赤塗の龍を沈め...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...王は悲劇のあった場所の湖畔の赤塗のベンチに博士と並んで掛け...
久生十蘭 「泡沫の記」
...斯う云ひながら赤塗りの自転車(オートバイ)から唇を震はせてゐる樽野を救け降した...
牧野信一 「F村での春」
...佐賀の町で売る赤塗(あかぬり)の飯櫃も特色あるものといえましょう...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...銀座の岩谷天狗が総赤塗りの店頭へ間口いっぱいに「勿驚税金たった五万円」と脅かしたのは看板ともいえぬがペンキ全盛の一現象...
山本笑月 「明治世相百話」
...その頃オムニバスという赤塗りの乗合馬車もここから両国方面へ往復...
山本笑月 「明治世相百話」
...右手に赤塗のお盆を持って翁の後から舞台に行くので...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...私は丘を下り赤塗りの馬車に乗って街を廻り...
横光利一 「欧洲紀行」
...赤塗の轍(わだち)はれきろくと関内(かんない)の文化街を真っすぐに疾走した...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
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