...御贔屓になつたのには間違ひございません...
芥川龍之介 「地獄変」
...身贔屓(みびいき)をするんじゃあないけれど...
泉鏡花 「開扉一妖帖」
...あとの贔屓(ひいき)の一杯ぶんは...
太宰治 「パンドラの匣」
...………誰にも身贔屓(みびいき)と云うものはあるから...
谷崎潤一郎 「細雪」
...「林先生は田原さんばかり贔屓(ひいき)にしている」などと生徒から言われたこともあった...
田山花袋 「田舎教師」
...池田の人がひどくその荒木蘭皐の關係と共に富永贔負でありまして...
内藤湖南 「大阪の町人學者富永仲基」
...あそこはたびたび御贔屓(ごひいき)になっておりまする...
中里介山 「大菩薩峠」
...贔屓(ひいき)にされてるうちに...
中里介山 「大菩薩峠」
...出入り御贔屓(ごひいき)の骨董屋たる腰の低いところを充分に表現いたしました...
中里介山 「大菩薩峠」
...その折は特別に贔屓(ひいき)というほどでないものでさえおしんだ...
長谷川時雨 「豊竹呂昇」
...……依怙贔屓(えこひいき)になりますから...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...それは残念な――酒宴もまだはじまったばかり、今しばし待たれたら――わしも、広海屋さんも、更(ふ)けたなら、よいところまで、そなたとかごを連らねられると楽しみにしていたに――」と、三郎兵衛がいうのを、「お言葉に従いとうはござりますが、役目も大事にいたさねば、舞台に何かと障(さわ)りも出来、御贔屓様に、相すまぬようなことにならぬとも限りませぬゆえ――」と、辞退すると広海屋も聴きつけて、「太夫が、かえられますとか――のこり惜しいな」――残り惜しがりなさるには及ばない...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...元よりそなたが大の贔屓――美しい顔を見せてやって...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...芸者といふはかうしたものと贔屓(ひいき)する人に望まれて...
森鴎外 「そめちがへ」
...ブランデル君はひどく鼠が贔屓(ひいき)だね...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...兎角年の若い奴を贔屓(ひいき)するて...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...いくら殿さまの御贔屓(ひいき)でも...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...(依怙贔屓(えこひいき)である)と...
吉川英治 「親鸞」
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