...遺物には小穴君に蓬平の蘭を贈るべし...
芥川龍之介 「遺書」
...諸君よ、わが持てる限の物をば、悉く贈るべし、されどおん身等を(あ)かしむるに足らざるこそ氣の毒なれと答へて、われは進寄りつゝ、手を我衣兜(かくし)にさし籠(こ)みたり...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...あらかじめ少額の金員を贈ると好都合だろうといわれた...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...アメリカの友に贈るべく...
種田山頭火 「其中日記」
...それを偸(ぬす)み出して女に贈る坊っちゃんらしい彼の熱情に...
徳田秋声 「縮図」
...時に子遠死字を贈る...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...然らざるものの葬儀にこれを贈るのは何のためであろう...
永井荷風 「西瓜」
...後園に栽培したる薬草を摘み久米氏に托して贈る...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...「女王」に贈る花輪は...
野口雨情 「女王」
...こんなものを贈るなんて...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...時の大統領が臨席して手づから勝盃を贈るのが慣例だつた...
牧野信一 「サクラの花びら」
...総督これを日本皇師に贈ると...
南方熊楠 「十二支考」
...そなたにすばらしい衣裳と宝石とを贈るであろう」と...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...当日の総収入は一切ル氏に贈る定めなので...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...駅長森田成之君に贈る...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...舅御(しゅうとご)の陣地まで贈るものだよ」「翡翠(ひすい)か白玉(はくぎょく)なら...
吉川英治 「三国志」
...人へ贈る真心は、真心をもって返されるものと誰に対しても、一様に信じて疑えない彼女に取って、この結果は、やはり意外な愕(おどろ)きに違いなかったのである...
吉川英治 「宮本武蔵」
...イサックが悲しげに彼に握手して、――メラ、君に贈る親愛、古いスグヤムグラの誓をもって!イサックの黒い顔に月光のような涙が光った...
吉行エイスケ 「地図に出てくる男女」
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