...質素な服装が断じて制服ではないのにかかわらず...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...古くから物集北劍の質素な住ひである...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...ある質素な石造の家の...
アンブローズ・ビアス Ambrose Bierce 妹尾韶夫訳 「マカーガー峽谷の秘密」
...質素な然し堅牢(けんろう)なものであった...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...精力のこの歌人、果敢な遊戯と行動と戦争との時代を賞揚してるこの詩人は、少し歩いても息切れがし、質素な生活をし、きわめて厳格な摂生を守り、水を飲み物とし、煙草(たばこ)を吸うことができず、女に近づかず、あらゆる情熱を内に蔵しながら、健康のために禁欲主義を事としなければならなかった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...健康さうな姿を質素なスポーテイに包んだ花子が...
中村地平 「悪夢」
...質素なくせに、どこかひどく金目のかかった暮しをしている佐五兵衛の家の中を、珍しそうに眺めまわしている様子などは、ガラッ八の眼から見ると、日頃の平次のたしなみにはないことです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...思いの外質素な生活(くらし)ですが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...身扮(みなり)は質素な町人風で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...思ひの外質素ながら清げな床を敷いて休んでゐる娘の...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「召使ひや馬車の質素なことから判斷すると...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...山家(やまが)らしい質素な食事に二人で相変らず口数寡(すく)なく向った後...
堀辰雄 「楡の家」
...質素なふうで来ているのを恥ずかしがっている姫君を右近は美しいと思った...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...その質素な謙虚な性質の価値は見直されていいのです...
柳宗悦 「民藝の性質」
...しかし吾々はもっと質素な意味で...
柳宗悦 「民藝四十年」
...前代までの淫靡な弊風を改革するためには自身もつむぎの袴しか用いないほど質素な範を示して...
吉川英治 「美しい日本の歴史」
...じつにご質素なものでしかない...
吉川英治 「随筆 私本太平記」
...ささやかな質素な家であったであろう...
和辻哲郎 「藤村の個性」
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