...ミスラ君の部屋は質素な西洋間で...
芥川龍之介 「魔術」
...質素な木綿の筒袖に袴をはきながら晴れやかな微笑を浮かべて...
伊藤野枝 「出奔」
...質素な香炉に過ぎないのだ...
薄田泣菫 「木犀の香」
...しかし極めて質素な生活をしていた...
寺田寅彦 「レーリー卿(Lord Rayleigh)」
...質素な竹の笠をかぶり...
中里介山 「大菩薩峠」
...ただ一つ質素な板囲(いたがこい)の小さい家があった...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...話しながらも私達はこの質素な晝餐に舌皷を打つた...
「修道院の秋」
...八疊の質素な部屋に...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その生活は二三千石の旗本にも及ばぬ質素なものだったのです...
野村胡堂 「礫心中」
...質素な夜会服を着た女が立ちすくみ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...海辺の五時夕暮が 静かに迫る海辺の 五時白木の 質素な窓わくが室内に燦く電燈とかわたれの銀色に隈どられて不思議にも繊細な直線に見える...
宮本百合子 「海辺小曲(一九二三年二月――)」
...気楽に質素な暮らしが弁にできるのである...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...そこには質素な訥朴(とつぼく)な心があるからである...
柳宗悦 「工藝の道」
...質素ならではむしろ幸福ではないと言い切らねばならぬ...
柳宗悦 「工藝の道」
...質素な暮しから質素な物が生れてくる...
柳宗悦 「苗代川の黒物」
...みなこのような御質素なお品でした...
山本周五郎 「日本婦道記」
...草庵に質素な生活をしてゐたし...
吉川英治 「折々の記」
...質素な家庭に育ったので...
吉川英治 「松のや露八」
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