...質素な椅子やテエブルの間に何か清らかな幸福が漂つてゐるやうに見えるのです...
芥川龍之介 「河童」
...二代目としてはもう初代のような質素な生活は出来ないのであります...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...常に質素な食事ばかりしていたから...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...どのくらいの財産をもっていらっしゃるんですか」「私は財産家と見えますか」先生は平生からむしろ質素な服装(なり)をしていた...
夏目漱石 「こころ」
...その生活は二三千石の旗本にも及ばぬ質素なものだったのです...
野村胡堂 「礫心中」
...極端に質素な樣子の爲めに...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...町役場の質素な吏員だが...
牧野信一 「淡雪」
...こっちで質素な生活をしとる者は迷惑するし...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...私は質素なジユネーブの大學を追懷しながら...
正宗白鳥 「私も講演をした」
...田舎作りの質素な布であるから...
柳宗悦 「工藝の道」
...そこに健康がないのは質素な暮しに適しないからである...
柳宗悦 「民藝四十年」
...「……ずいぶんご質素な物を着ておいでなさるのね...
山本周五郎 「菊屋敷」
...質素な膳に酒が付くのであった...
山本周五郎 「花も刀も」
...この女は一方に質素な藍色の洋服を着て...
夢野久作 「暗黒公使」
...質素な身なりであった...
吉川英治 「剣の四君子」
...質素なものであつた...
吉田絃二郎 「八月の霧島」
...軍隊もつれず質素な僧衣を身にまとったガスカは...
和辻哲郎 「鎖国」
...しかしその質素な住宅が...
和辻哲郎 「藤村の個性」
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