...おれはかの女の羽二重の肌を賞翫してゐるのだ...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...噛占(かみし)めて益々味の出るものよりは舌の先きで甞(な)めて直ぐ賞翫(しょうがん)されるものが読者に受ける...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...」と古川先生大いに満足して一尾の鰻を十倍旨(うま)く舌打して賞翫したという逸事がある...
内田魯庵 「二葉亭余談」
...俳句は和歌を父母として生まれたのでやはり初音という言葉のうちに賞翫の意味が伝わっているということをただいま申しましたが...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...道阿弥の首を賞翫(しょうがん)しながら...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...一つ御賞翫(ごしょうがん)なすってみていただきてえ」と言ってにやにやしながら...
中里介山 「大菩薩峠」
...芸術を賞翫して好いんだか分りません...
夏目漱石 「虚子君へ」
...ちょうど先刻お話したお大名が目黒の秋刀魚を賞翫(しょうがん)したようなもので...
夏目漱石 「私の個人主義」
...ベースボールはもと亜米利加(アメリカ)合衆国の国技とも称すべきものにしてその遊技の国民一般に賞翫(しょうがん)せらるるはあたかも我邦(わがくに)の相撲(すもう)...
正岡子規 「ベースボール」
...凡日本普く賞翫す...
松浦武四郎 「他計甚※[#「麾」の「毛」に代えて「公の右上の欠けたもの」、第4水準2-94-57](竹島)雜誌」
...支那や後インドで※蛇肉(ぜんじゃにく)を賞翫(しょうがん)し...
南方熊楠 「十二支考」
...自然成熟の粳米を採り還って満腹賞翫したので...
南方熊楠 「十二支考」
...それからのサスペンスもなかなか賞翫にたえるものであると思います...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...お登和嬢は今日の御馳走を大原に賞翫(しょうがん)されざるが何よりの心残り「ねー兄さん...
村井弦斎 「食道楽」
...僕も昨夜(ゆうべ)章魚(たこ)の柔煮(やわらかに)や薩摩芋(さつまいも)料理を賞翫(しょうがん)したが直段(ねだん)の安い品物を美味く食べるのは実に経済主義だ...
村井弦斎 「食道楽」
...貴人の間に賞翫(しょうがん)せられたことが見えているが...
柳田国男 「年中行事覚書」
...賞翫(しょうがん)する場合のほうが昔から多く...
柳田国男 「母の手毬歌」
...空坪此地の景勝を巡りて賞翫する事一方ならず...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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