...(と信吾を見て)失礼乍ら貴君(あなた)も好い御体格ですな...
石川啄木 「鳥影」
...未だ貴君には一面識もなき小生に候えども...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...『貴君方は現代のお方ではない...
薄田泣菫 「喜光寺」
...』『だが何(なん)の為(ため)に貴下(あなた)は私(わたし)をこんなところに入(い)れて置(お)くのです?』『それは貴君(あなた)が病人(びょうにん)だからです...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六号室」
...「貴君(あなた)は私の恩人だ...
田中貢太郎 「荷花公主」
...わたしは貴君(あなた)のお心がようく解っています...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「ふみたば」
...貴君や幸子ちゃんを慕うところから...
谷崎潤一郎 「細雪」
...貴君に色よい手紙を呉れる...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...「雪の結晶の撮影に関する貴君の卓越せる技術を伝授被下(くだされ)...
中谷宇吉郎 「雪雑記」
...貴君(あなた)にはあれから以來(いらい)御目(おめ)にかゝらぬでは御座(ござ)んせぬか...
樋口一葉 「うつせみ」
...よし笑(わら)ひ物(もの)になつても私(わたし)は貴君(あなた)に笑(わら)ふて頂(いたゞ)き度(たく)...
樋口一葉 「にごりえ」
...もと/\利發(りはつ)の貴君樣(あなたさま)に其(その)氣(き)づかひはあるまじきなれど...
一葉女史 「ゆく雲」
...貴君はそれを御承知の上で...
久生十蘭 「湖畔」
...」「独りで見てゐるのは具合が悪いから貴君の仕事の見物をしてゐるやうな者として...
牧野信一 「熱い風」
...殊(こと)に我輩の家の台所は貴君(あなた)の攻撃を受けた通り旧式で不潔で闇(くら)いのですから蠅は安楽国と思って無闇(むやみ)に繁殖します...
村井弦斎 「食道楽」
...どうか貴君もこれからはミツカイドウと呼んで下さいと...
柳田國男 「水海道古称」
...われわれの国の災いだと思う」「では貴君は...
吉川英治 「三国志」
...「なんだ、貴君か」と、魯粛(ろしゅく)も気抜けしたり、ほっと胸をなでたりして、「悪いお戯れをなさる...
吉川英治 「三国志」
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