...ある王子とシビという貴公子の物語として傳承されたのが原形であろう...
稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳 「古事記」
...やつぱり貴公子らしいなつかしい品位がございました...
太宰治 「右大臣実朝」
...年若(としわか)き貴公子(きこうし)パリス(下人(げにん)一人(にん)從(つ)いて)出(で)る...
シェークスピヤ William Shakespeare 坪内逍遙訳 「ロミオとヂュリエット」
...弱冠の貴公子がいたことを...
中里介山 「大菩薩峠」
...この我儘(わがまま)貴公子の申し出でを...
中里介山 「大菩薩峠」
...貴公子と兵馬とが碁を囲んでいるところへ...
中里介山 「大菩薩峠」
...わしが仲達(ちゅうたつ)の憂目を見せられる」二十この貴公子が...
中里介山 「大菩薩峠」
...「それがその、ほかの事と違いまして、現在自分の家がありながら、葬式の席をかせと申しがたいことでもござりまするし、それに、当人が、第一よろしくござりませぬ、それ故に死んだ後までも親類中に忌(い)み嫌われて、葬式の席を貸そうと申し出でる者も無いこと故に……」用人が、かく弁解すると、貴公子は、「だから、この家でやるがよい、わしはいっこうかまわぬのじゃ」「それが、甚(はなは)だ恐れ多い儀でござりまして、当人は不浄の上に、人より天罰と申されるほどな非業(ひごう)の死を遂げた人間でござりまするが故……」「うむ、天罰、何かよほどの悪いことをしたのかな」「淫楽に耽(ふけ)りまして、目も当てられぬ挙動(ふるまい)をのみ、致しおったそうでござります」「ナニ、淫楽に耽った……」「はい」「淫楽――というのも程度問題じゃな、これだけの家を踏まえている主人として、妾(めかけ)の一人や二人あったからとて、死んだ後まで、そう嫌わんでもよいではないか」貴公子が存外、さばけて挨拶をするのを、用人は、いっそう恐縮して、「それがその、男性でござりませぬが故に……」「男性? 男ではないのか、この家の元の主人は」「はい、夫なるものは死に失せまして、後家を立てておりましたが、いやはやどうも、箸にも棒にもかからぬ淫婆でござりまして……」「おお、そうか、女主人であったのか」「はい」しかしながら、女主人であるが故によいとも、悪いとも言わず、碁の手が難局になったと見えて、そこで貴公子は沈黙してしまいました...
中里介山 「大菩薩峠」
...かえってこの異国の風流貴公子の相手になって月を見てやる方が好もしい...
中里介山 「大菩薩峠」
...其中(なか)には伯爵とか子爵とかいふ貴公子も交(まじ)つてゐた...
夏目漱石 「それから」
...この頃の貴方って貴公子みたいよ...
林芙美子 「晩菊」
...所が奥平壹岐はお坊さん、貴公子だから、緻密な原書などの読める訳(わ)けはない...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...長安かなんぞの貴公子然として...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...また古インドに自撰(スワヤムヴヤラ)とて多くの貴公子を集め饗応した後王女をしてその間を歩かせ...
南方熊楠 「十二支考」
...まだ成っていない貴公子たちの懸想(けそう)ぶりをたんと拝見しよう」と源氏が言うと...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...この二人のすぐれた貴公子に準じて見るほどの人もない世の中ではしかたがないと考えられるのであった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...その美貌と気品はいかなる名優も貴公子も及ばない...
村松梢風 「猫料理」
...貴公子風の文化人が多い...
吉川英治 「随筆 新平家」
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