...その頃某の貴公子この若草手に摘まばやとてさま/″\のてだてを盡しゝに...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...この年若な貴公子はしかつべらしい聖賢の道よりも...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...ずぶ濡れの姿で貴公子と逢つて...
太宰治 「富嶽百景」
...貴公子、鉄鎚(かなづち)だつたのかな?」「いや、令嬢のはうで、たくさん惚れてゐたからだと思ひます...
太宰治 「富嶽百景」
...金釦の貴公子らしい兄弟の少年が庭下駄をはいて...
徳田秋聲 「二つの失敗」
...国貞は美貌の侍女(じじょ)貴公子が遊宴の状(じょう)によりて台(だいしゃ)庭園(ていえん)の美と衣裳什器(じゅうき)の繊巧とを描出(えがきいだ)して人心を恍惚(こうこつ)たらしめ...
永井荷風 「江戸芸術論」
...弱冠の貴公子がいたことを...
中里介山 「大菩薩峠」
...この稽古を終ってから、右の貴公子が、兵馬に挨拶をして言いました、「そなたほどの年で、それだけに使える人は全く珍しい、どこで修行なされたか、流儀は直心蔭(じきしんかげ)じゃの」「はい」「そなた、剣術ばかりか、他の武芸は?」「はい、槍も少し覚えました」「ほう、それは頼もしい、して、馬は?」「馬――も少しばかりせめてみたことがございます」「おお、それは一段、では、桜の馬場で、わしと一緒に一せめして、それから小日和田(こひわだ)へ野馬をこなしに行ってみようではないか」「はい……」「武芸ばかりかの、そなたは、ほかに何ぞたしなみはないか」「何も存じませぬ、未熟者でして」「いや、そうではあるまい、そなたの剣術は本当に修行している、して、泳ぎは?」「水泳でございますか」「左様、水泳をそなたはやりますか...
中里介山 「大菩薩峠」
...仮りに高村卿と呼ばれていた英気溌剌(はつらつ)たる貴公子があって...
中里介山 「大菩薩峠」
...貴公子と兵馬とが碁を囲んでいるところへ...
中里介山 「大菩薩峠」
...貴公子の挨拶が用人の頭の上を走ります...
中里介山 「大菩薩峠」
...わしが仲達(ちゅうたつ)の憂目を見せられる」二十この貴公子が...
中里介山 「大菩薩峠」
...卵殻もどきの貴公子の微笑と遅鈍な子供の白血球とは...
中原中也 「在りし日の歌」
...其中(なか)には伯爵とか子爵とかいふ貴公子も交(まじ)つてゐた...
夏目漱石 「それから」
...この二人のすぐれた貴公子に準じて見るほどの人もない世の中ではしかたがないと考えられるのであった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...人目を引くような派手(はで)な扱いをして貴公子の心を多く惹(ひ)くようにしていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...その美貌と気品はいかなる名優も貴公子も及ばない...
村松梢風 「猫料理」
...この貴公子のまわりへ争って寄りたかり...
吉川英治 「新・水滸伝」
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