...他の蜂共がその共同の母親を見るのにやさしい注意をすることはどうだらう! その丁寧な気のつけ方はどうだらう! 彼等はその貴い母親に一口づつ御馳走をする...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...そういう意味で学術的に貴いものなら何でも集めて置く...
内田魯庵 「鴎外博士の追憶」
...手の内の一羽の雀は木の上におるところの二羽の雀より貴い...
内村鑑三 「後世への最大遺物」
...『田舎の貴い金を...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...人はあまりに食生活のために貴い人間の霊性を見失っているような気がいたします...
高神覚昇 「般若心経講義」
...どんな貴い経典であるか...
高神覚昇 「般若心経講義」
...彫刻の線の柔(やわら)か味というものはその人の感情の高く貴い現れである...
高浜虚子 「俳句への道」
...とても理解できぬくらいに貴い品性を有(も)っていた人ではなかったろうかと思った...
太宰治 「散華」
...貴い宗教的感激であるかのように覚えたのであった...
谷崎潤一郎 「二人の稚児」
...娘の手が如何にも貴いものであるかのように...
豊島与志雄 「母親」
...ほんの僅かの貴いものも次第に石化して行き...
中島敦 「かめれおん日記」
...彼等の沒我或は自己犧牲は貴いものであるかも知れない...
「修道院の秋」
...それゆえ貴女ほど信実の貴い味を...
長谷川時雨 「マダム貞奴」
...どんな貴い人が住んでいるのだろうか...
ジョナサン・スイフト Jonathan Swift 原民喜訳 「ガリバー旅行記」
...そして妾があのように貴い身分になる事を...
夢野久作 「白髪小僧」
...これは我々文明人が、あまりに眼とか耳とかいう五官の活用に信頼し過ぎたり、理詰めの器械を迷信し過ぎたりするために、この非常に貴い、この上もなく明白な「天賦の能力」を忘れているからで、一つは近頃の世の中が、あまりに科学や常識を尚(たっと)ぶために、人間の頭が悪く理窟で固まってしまって「神秘」とか「不思議」とか「超自然」とかいう理窟に当て箝(は)まらない事を片端(かたはし)から軽蔑して罵倒してしまうのを、文明人の名誉か何ぞのように心得ているために、このような大きな自然界の事実を見落しているものと思う...
夢野久作 「暗黒公使」
...漁師の群れに貴い集中と純一とを認めたのは私の心に過ぎなかったではないか...
和辻哲郎 「生きること作ること」
...あの悲しく貴い半跏の観音像は...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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