...「さうして貴君はその返報にどうそれを扱ひなすつた」と彼等は問ふ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...貴様の持っている例の品物を元の持主に返し(送り先は知っている筈だ)今日(こんにち)以後かたく秘密を守ると誓うなら...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...「貴方昨晩も食(あが)らなかつたし少し召食らんとお體がだん/\弱る許りですよ」とお金は珍しく枕許についてゐて斯う言つた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...併し何と云っても最後の負担は国民大衆の肩の上に落ちて来るのだから――戦時的奉仕・大衆増加税・物価騰貴・其の他を含めて――...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...廣く貴族より平民に至るまでの子弟を收容した...
内藤湖南 「平安朝時代の漢文學」
...貴方はどうせ妾の眼力をくらませはしないわ...
長與善郎 「青銅の基督」
...一度(ひとた)びこれを握るときは人目を眩(くらま)せしむるに足る目勇(めざま)しき働きをなすものなりかく漆桶(しっとう)を抜くがごとく自転悟を開きたる余は今例の監督官及びその友なる貴公子某伯爵と共に(くつわ)を連(つら)ねて「クラパムコンモン」を横ぎり鉄道馬車の通う大通りへ曲らんとするところだと思いたまえ...
夏目漱石 「自転車日記」
...「兄(にい)さんと貴方(あなた)と清水(しみづ)町にゐた時分の事を思ひ出(だ)さうと思つて...
夏目漱石 「それから」
...善悪貴賤(きせん)...
林芙美子 「新版 放浪記」
...「貴方達、悪い冗談はやめて!」クチュール夫人が言った...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...セエブル焼きの置時計の細かい唐草模様のなかに隠されている貴婦人や農夫や...
久生十蘭 「キャラコさん」
...貴島とルリの身の上にどんな事が起きるのか? つかまえ所の無い不安である...
三好十郎 「肌の匂い」
...こちらの女房には貴族出の優秀なような者もあまりないのである...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...「応識間中官爵貴...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...貴重な材木や硝子(ガラス)を使つて細工がしてある...
アルベエル・サマン Albert Samain 森林太郎訳 「クサンチス」
...富貴で人望のある者などにがまんができない...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...新聞や雑誌で紹介されている各国の貴顕...
夢野久作 「S岬西洋婦人絞殺事件」
...一種の高貴の相をもっている...
吉川英治 「江戸三国志」
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