...態(わざ)と目につき易いこんな髯を貯えたと見せかけ...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...彼はすでに五十万ドルにのぼる金を貯えたといううわさだがそれを二倍にしようと思い...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...貯えて置いても入用がないから...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「王成」
...余った外は貯えておいて欲しい時に出して食い...
寺田寅彦 「話の種」
...貯えれば腐るので家々の貰い物も自然に多い...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...それから少しすると耳の上の所へも少しの髪を貯えて...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...公儀の眼を掠(かす)めて貯えた金銀が唸(うな)るほどあるくせに...
中里介山 「大菩薩峠」
...「夜分、こんなに遅く、これだけのお金をただ預かれとおっしゃられたのでは、わたくしには預かりきれないのでございます、そう申し上げてはお気にさわるかも知れませんが、このごろは何かの入目(いりめ)で、わたくしたちの目にさえお困りの様子がありありわかりますのに、今晩に限って、これだけのお金を持っておいでになったのが、わたくしにはかえって心配の種でございます」「いや、この金は決して心配すべき性質の金ではありません、ちと入用(いりよう)があって、人から融通してもらったところ、急にそれが不用になったから、あなたに預かっておいてもらいたいのです、金高は三百両ほどあると思います」「どなたが、その三百両のお金を、あなたに御融通になりましたのですか」自分の貯えも、お君の貯えも、一緒にして融通してしまったほどの兵馬の身に、忽(たちま)ち三百両の金を融通してくれるほどの人がどこにあるだろう...
中里介山 「大菩薩峠」
...酔わせるだけの分量は貯えてなかったはずなのに...
中里介山 「大菩薩峠」
...半分は海水を貯えることにした...
中谷宇吉郎 「異魚」
...その水をダムによって貯えておいて...
中谷宇吉郎 「大雪山二題」
...自分の方は名と富と力を貯えているものだと...
長谷川時雨 「樋口一葉」
...彼らは魚や蛇の骨を貯えておき...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...乾魚の貯えはなくなってしまい...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...あから顔に半白の硬い水夫髯を貯えた肥大漢だったが...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「道化者」
...鼠穴を毀壊(きかい)してその貯えた粟...
南方熊楠 「十二支考」
...僅かながら不時の用にと貯えもつめるようになった...
山本周五郎 「日本婦道記」
...一生喰べるくらいの貯えは今でも持っているのですから...
夢野久作 「少女地獄」
便利!手書き漢字入力検索