...その中に白黒黄藍赤など五色の彩色砂を貯えている...
上村松園 「砂書きの老人」
...其肥満の体躯(からだ)全部に貯えているのが生縄のお鉄で有った...
江見水蔭 「死剣と生縄」
...――ベン・ガンの洞穴にはガンが自分で塩漬にした山羊の肉が十分に貯えてあるので...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...翌朝(あくるあさ)起きるなりそれまで貯えてあった僅(わずか)かな銭を持って...
田中貢太郎 「蛇性の婬」
...見当り次第に貯えるのであり...
豊島与志雄 「蔵の二階」
...貯えてある金銀だけは一文も残さずに...
中里介山 「大菩薩峠」
...只心の中に貯えたる何者かを使い尽すまではどうあっても外界に気を転ぜぬ様に見受けられた...
夏目漱石 「幻影の盾」
...そんなものを貯えておく様子もありません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...貯えも路用もあるわけは無く...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...一ヶ月でも二ヶ月でも靜養出來る貯えはないのだつたし...
林芙美子 「秋果」
...薪の貯えが小屋にたくさんあるのだが...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...貯えた蜜柑の皮に光沢があって...
正岡子規 「くだもの」
...あから顔に半白の硬い水夫髯を貯えた肥大漢だったが...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「道化者」
...家に小銭を多く貯え置く...
南方熊楠 「十二支考」
...カキズ熟柿(じゅくし)を甕(かめ)の中に貯えて作る酢があって...
柳田國男 「食料名彙」
...持っていた僅かな貯えさえ底をついてしまった...
山本周五郎 「さぶ」
...しかし肥沃な土地がなお未だ耕作されていないために豊富な生産手段が貯えられてある貧しい国においては...
デイヴィド・リカアドウ David Ricardo 吉田秀夫訳 「経済学及び課税の諸原理」
...わずかながらも財を貯え...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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