...さうして彼の財嚢の許す限りに於いて...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...マリウチアは財嚢を父にわたしつ...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...主人は小き財嚢(かねいれ)をドメニカが手に渡し...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...自分の死期の迫ってるのを十分知りながら余り豊かでない財嚢(ざいのう)から高価の辞典を買うを少しも惜まなかった紅葉の最後の逸事は...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...ブルジョアジーの慈善心と財嚢とに哀訴せざるを得ない...
堺利彦訳 幸徳秋水訳 「共産黨宣言」
...単に国民の財嚢(ざいのう)重きの謂(いい)ではない...
大隈重信 「国民教育の複本位」
...芳賀氏はその晩財嚢(ざいなう)には何一つ持ち合せてゐなかつたのだから...
薄田泣菫 「茶話」
...財嚢(さいふ)の錢(ぜに)を數(かぞ)へ見(み)て...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六號室」
...財嚢(ざいのう)はつねにつねに冷やかであった...
田山花袋 「田舎教師」
...鋼鉄で細工をした重い財嚢やで出来ていた...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...一切のものはことごとく彼の路を歩まねばならぬ――彼自身の権力と財嚢とを肥す方へ行かねばならぬ...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...財嚢問題のみ彼れ星氏の如きは即ち此問題の解釈者として一種の伎倆を有する英雄なり彼れなくむば自由党は殆ど亡びむ彼れは自由党の純代表者にして...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...いつも財嚢(ざいのう)と財嚢との捜し合いである...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...作物を買ってやる財嚢(ざいのう)の不振である...
夏目漱石 「文芸委員は何をするか」
...一家の会計を司(つかさ)どっていない彼の財嚢(ざいのう)は無論軽かった...
夏目漱石 「道草」
...折々(おりおり)私の財嚢(ざいのう)から金を出して塾用を弁ずることも出来ました...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...財嚢のはなはだ乏しいジョヴァンニは...
ホーソーン Nathaniel Hawthorne 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...今度は阿父さんの財嚢(かみいれ)から沢山(たくさん)なお金(かね)...
與謝野寛 「蓬生」
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