...今日財産でもある人達はロンドンで過すことが多く...
アーヴィング 高垣松雄訳 「クリスマス・イーヴ」
...甚(はなは)だ高価なる同胞の資財と生血とを投じて贏(か)ち得たる光栄の戦信に接しては...
石川啄木 「渋民村より」
...家財道具など物色したが...
犬田卯 「荒蕪地」
...財布をしまい込もうと机の引出しをあけたら...
梅崎春生 「狂い凧」
...資本は賃銀勞働を搾取する財産である...
堺利彦訳 幸徳秋水訳 「共産黨宣言」
...てんでに財産を慝(かく)まふのに智慧を絞つたものだ...
薄田泣菫 「茶話」
...財布から金貨をかぞへるやうに...
薄田泣菫 「茶話」
...」とうろたえ気味で、財布から、最後の一歩金を投げ出し、ああ、いまごろは、わが家の女房、借金取りに背を向けて寝て、死んだ振りをしているであろう、この一歩金一つでもあれば、せめて三、四人の借金取りの笑顔を見る事は出来るのに、思えば、馬鹿な事をした、と後悔やら恐怖やら焦躁(しょうそう)やらで、胸がわくわくして、生きて居られぬ気持になり、「ああ、めでたい...
太宰治 「新釈諸国噺」
...「しかしきみは財産ができるし……」彼は私の言葉をさえぎった...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...古いハンドバックや、手袋や、ビイズの財布や、香料の空瓶などと一緒に出て来た一束の手紙と写真帖を、これだと丹念に調べると、写真帖は前に見た通り、青江の小さい頃からのスナップばかりであったが只一つ最後に久能の学生服姿の八ツ切が新らたに張られ、日附が認められていて、その日附は久能にもすぐに思い当った...
豊田三郎 「リラの手紙」
...ここまで持って来てくれた白雲の財産――といっても...
中里介山 「大菩薩峠」
...日頃取込んだ不義の財で...
野村胡堂 「十字架観音」
...幻の民五郎が諸方から盗んだ品――現金以外は滅多に手をかけない民五郎でしたが――財布や胴巻や金入れといったようなものや...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...あいつは? 彼は私が二日間でもお前を財産もパンもなしで放っておくなんてこと考えてるんだろうか? 私はたとえ一日でも...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...そこで国防保安法……れいの『法律第四十九号』というのを議会へ持ちだしたが、これがたいへんなもので」「あのときは、われわれも心配しました」「本法において、国家機密とは、国防上、外国にたいして秘匿することを要する外交、財政、経済その他、重要なる国務にかかわる事項、というんだから、ちょっと考えても、軍機保護法、軍用資源秘密保護法、不穏文書取締法、治安警察法、国家総動員法……なんでもよろしい、外国に利益を与えたという解釈が成り立つと、かならずどれかの罪にひっかかるようになっているのみならず、公判廷の口頭弁論は国家機密を陳述することを得ずという成文があって、これが絶対なる秘密裁判……軍務局から、『裁判を省略することを期待する』という行政命令でも出れば、誰であろうと、闇から闇へ葬られてしまう可能性がある...
久生十蘭 「ノア」
...国庫の資財をもって...
日野強 「新疆所感」
...蓄財のためにはかなり悪辣な手段を執ることをも敢て辞さないと言ったようなところがある...
牧逸馬 「助五郎余罪」
...限りある財力で限りない兵は養へないし...
吉川英治 「折々の記」
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