...今の世の貞女の鑑(かがみ)だつた...
芥川龍之介 「一塊の土」
...たまたま人間に生を受けて、しかも別嬪(べっぴん)に生れたものを、一生にたった一度、生命(いのち)とはつりがえの、色も恋も知らせねえで、盲鳥(めくらどり)を占めるように野郎の懐へ捻込(ねじこ)んで、いや、貞女になれ、賢母になれ、良妻になれ、と云ったって、手品の種を通わせやしめえし、そう、うまく行くものか...
泉鏡花 「婦系図」
...そう云う風に考えたら貞女も淫婦(いんぷ)も悲しくないなんて女はないさ」ひとしきり孰方(どっち)も黙り込んで鍋の物を突ッついていた...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...それも童貞女の濁りない音調と少女の無邪気な音調とがいっしょにもつれ合った声...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...ある童貞女らの修道院において「常住礼拝」をしなければ贖(あがな)われるものではないように思われた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...似而非貞女(えせていじょ)であり...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...不貞の女をもなお且つ貞女にし...
中里介山 「大菩薩峠」
...昔から云い伝えている孝子とか貞女とか称するものが...
夏目漱石 「文芸と道徳」
...たといいかな忠臣でも孝子でも貞女でも...
夏目漱石 「文芸と道徳」
...世にも稀な貞女だということを...
野村胡堂 「青い眼鏡」
...そんな貞女を追い出して...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...貞女だつて石塔(せきたふ)だつて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...今となつて娘の貞女に思ひ當り...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...三々九度で乘込んだ貞女畠(ばたけ)の女とはワケが違ひまさア」「俺もそんな事だらうと思つたよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...却て其虐待侮辱の下に伏従する者を見て賢婦貞女と称し...
福沢諭吉 「女大学評論」
...その木格子のある向うは童貞女達が来つて拝礼し祈祷するところである...
三木露風 「トラピスト天使園の童貞」
...貞女が看病をする時の事に限らないということを...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...貞女とか忠義に凝った女などは人形のように思われます...
与謝野晶子 「産屋物語」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??