...私(わたくし)は別(べつ)に貞女(ていじょ)の亀鑑(かがみ)でも何(なん)でもございませぬ...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...貞女らしい口をきくだろう...
有島武郎 「星座」
...浮気をする、貞女、孝女、慈母、淑女、そんな者があるものか...
泉鏡花 「婦系図」
...手もよく書き貞女にて...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...「ママは貞女の亀鑑(きかん)というわけね」と敏子はくやしそうな顔に冷笑を浮かべた...
谷崎潤一郎 「鍵」
...そのとき私は妻の顔に書いてある字を読む――『私は貞女よ...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...それも童貞女の濁りない音調と少女の無邪気な音調とがいっしょにもつれ合った声...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...一個の燃焼し難い似而非貞女(えせていじょ)であり...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...貞女だと思い込んでしまうのです...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...貞女、節婦とも、称められんこともない――と――某は――見ておるが――」月丸は、綱手の上げた眼へ、美しく、澄んだ眼で、笑いかけた...
直木三十五 「南国太平記」
...お前もひとりで貞女暮しは淋しいことだろうとか...
中里介山 「大菩薩峠」
...すでにこういう風な模範的な間然するところなき忠臣孝子貞女を押し立てて...
夏目漱石 「文芸と道徳」
...たといいかな忠臣でも孝子でも貞女でも...
夏目漱石 「文芸と道徳」
...世にも稀な貞女だということを...
野村胡堂 「青い眼鏡」
...この寒さに、何時(いつ)までもそのままで置いては可哀想だ、色後家ならこのお仕置もいいが、貞女と解っては、その半裸体が、俺が自分でした事ながら見ちゃ居られない、大急ぎで縄を解いて暖めてやってくれ、それが、三年前にその女から夫を奪った、俺のせめてもの好意だ」大谷千尋ほどの者も、悲痛な面をあげて、花房一郎の顔と、金庫の前の美女とを見比べるのでした...
野村胡堂 「青い眼鏡」
...今となって娘の貞女に思い当り...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...お關さんは又伊之さん一本槍で見掛けに寄らないあの人は貞女ですね」「お玉は」「あれは泥で拵へた上出來の人形ですね...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...貞女のお吉さんが...
吉川英治 「親鸞」
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