...凡ての經驗は之と矛盾する何等かの記憶、何等かの豫想、何等かの論理に脅かされて、酒は水と交り、形は影と混じ、現在は過去と未來とに汚されてゐる...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...勿論優勝など豫期した譯ではなかつたが...
石川三四郎 「浪」
...雷か何かの樣にこんなに不意な打ちつけな事があらうとは固より豫期せぬことであるから...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...さうして今後(こんご)の豫算計畫(よさんけいくわく)にも毎年(まいねん)七八千萬圓(まんゑん)の國債(こくさい)を計上(けいじやう)して始(はじ)めて其(そ)の編成(へんせい)が出來(でき)るのであるが大正(たいしやう)三年(ねん)以來(いらい)十五年目(ねんめ)に初(はじめ)て茲(こゝ)に國債(こくさい)を計上(けいじやう)しない豫算(よさん)が出來(でき)たのである...
井上準之助 「金解禁前後の經濟事情」
...實際(じつさい)地震(ぢしん)の豫知問題(よちもんだい)の解決(かいけつ)は至難(しなん)の業(わざ)であるに相違(そうい)ない...
今村明恒 「地震の話」
...伊豫(いよ)の國をエ姫(ひめ)といい...
稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳 「古事記」
...何だか非常に惡い事でもありさうな豫感に襲はれて...
ロバート・ルイス・スティーヴンソン 佐藤緑葉訳 「醫師と旅行鞄の話」
...扨は豫(かね)てより人の噂に違はず...
高山樗牛 「瀧口入道」
...其木有※・杼・豫樟・・櫪・投・橿・烏號・楓香...
陳壽 「魏志倭人傳」
...私は初めて見るこの大雪と驛々で聞く壽司(すす)、餅(あんもつ)、饅頭(まんづう)等といふやうな發音の違ふ物賣りの聲とで、南國の土佐と東北の仙臺との、氣候風俗習慣の差は、隨分甚しいであらうと想像し、土佐の田舍の小家族の中に育つた末つ子の自分が、東北一の都、仙臺の十人兄弟の長男の嫁となり切るには、容易ならぬ努力がいる事を、豫知し、覺悟した...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...其木有二※杼、豫樟、櫪、投橿、烏號、楓香一...
内藤湖南 「卑彌呼考」
...豫算に計上して國會の議決を經なければならない...
日本国 「日本國憲法」
...豫(かね)て此家(こゝ)に居る頃...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...私が思はずそれから不吉な豫感を感じて...
堀辰雄 「窓」
...寧ろ豫料するといふことである...
三木清 「歴史哲學」
...豫て神戸横濱の埠頭には此種の人々がゐて...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...豫め計畫してゐたやうに本屋の方を向かずに通り過ぎることが出來た...
横光利一 「悲しみの代價」
...すべて若葉の頃に啼く鳥を心ゆくまで聽いて來度いとちやんと豫定をたててその空想を樂しみ始めたのは五月の初めからであつた...
若山牧水 「鳳來寺紀行」
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