...絵巻物のような単独鑑賞の絵画にしても「源氏物語絵巻」の如きは「つくり絵」と謂(い)われる胡粉(ごふん)ぬり重ねによる色彩の諧和(かいわ)豊麗を志している...
高村光太郎 「美の日本的源泉」
...……女ならば女神(ヴィナス)のように豊麗で美しく……と...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...しかもその新聞に現れている微笑んだ令嬢エミーラの美しさ豊麗さ!私は茫然として...
橘外男 「令嬢エミーラの日記」
...普賢(ふげん)の豊麗(ほうれい)でなく...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...内に光を孕(はら)んだ豊麗極まりない藍紫色の大円盤が...
中島敦 「環礁」
...科学の蜘蝶が張つた整然たるアンテナの巣よ蝟集する空中消息は豊麗な蝶々だ見上げる額に気象台の鋭角は颯爽たる意欲よああ 空に向つて垂れる氷柱(つらゝ)の先端つき刺された空は円形の青地図をひろげ見よ殺到する電波は世界の沿線を描いてゐる...
仲村渠 「気象台風景」
...廿三歳の豊麗な彼女が迎えた...
長谷川時雨 「竹本綾之助」
...徳川三百年、豊麗な、腰の丸み柔らかな、艶冶(えんや)な美女から、いつしか苦味をふくんだ凄艶(せいえん)な美女に転化している...
長谷川時雨 「明治大正美女追憶」
......
長谷川時雨 「柳原※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子(白蓮)」
...豊麗な顔に、やつれがあらわれた...
火野葦平 「花と龍」
...豊麗な六歌仙の踊りとともに...
正岡容 「わが寄席青春録」
...豊麗な劇場内の一つの側壁に添うて...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「餓えた人々(習作)」
...豊麗(ほうれい)な孔雀(くじゃく)の...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...実にかゝる厚い豊麗な唇を持つた人を見た事のない自分は...
村山槐多 「悪魔の舌」
...牡丹(ぼたん)を見つつある間(あひだ)は豊麗炎※(えんねつ)の夢に我の浸(ひた)れば...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...豊麗な容姿の競いを...
吉川英治 「押入れ随筆」
...阿波にはたくさんに美人がいるが、あの豊麗な、肉感的な、南国色(なんごくしょく)の娘たちとは、これはまた、クッキリと趣(おもむき)をかえた美人...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...これを前期の豊麗(ほうれい)を極めた代表的長篇に比べても...
米川正夫 「クロイツェル・ソナタ」
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