...直ちに其蜂殿に蓄積せられる蜜の豊かにして甘いことに想ひ到るであらう...
石川三四郎 「吾等の使命」
...私などの力で急に豊かになれるわけでもないのだから...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「今年の抱負」
...その脚が豊かにたたえている魅力的要素の数々をなんとしたら伝えられるだろうといたずらに焦(あせ)るばかりで...
高見順 「如何なる星の下に」
...豊かにのびのびとしたありがたい感触を忘れて了つたかのやうになる...
武田麟太郎 「大凶の籤」
...いろいろの艶(なまめか)しい身の投げ態(ざま)をした若い女たちの身体の線が如何にも柔く豊かに見えるのが...
永井荷風 「夏の町」
...津田生は父祖伝来の家産を豊かに持っていたから...
中里介山 「大菩薩峠」
...この道の最も豊かに清らかな景物であろう...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...数え切れないモノグラフや論文で豊かになった...
マクス・ノイバーガー Max Neuburger 水上茂樹訳 「医学の歴史」
...枝も豊かに飾られてあった...
長谷川時雨 「江木欣々女史」
...「あらゆる思想家の中で、僕は厭世的な喋舌家(ちょうぜつか)を最も排斥した」さらにまた、僕が愛した人々に向かっては、「楽しく豊かに、暮らせますように」と...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...心の生活を豊かにして黙々と働いていました...
三浦環 「お蝶夫人」
...京都の西郊に豊かに住む人の美妻が夫の仕う美少年と通じ...
南方熊楠 「十二支考」
...画面の隅から隅までが豊かに息づいて滞らないことをのぞんでいる...
宮本百合子 「あられ笹」
...文学的趣味を豊かに蔵され...
宮本百合子 「偶感一語」
...潮風に匂う桜は大変ここら辺のより豊かに美しいと思いました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...私たちが失ったあの棟瓦(むねがわら)の曲線がいとも豊かに現れているのです...
柳宗悦 「民藝四十年」
...家にいては冬の日の夢を豊かにしたものであったが...
柳田国男 「雪国の春」
...仮髪(かつら)かと思われるくらい豊かに青々としているのを...
夢野久作 「復讐」
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