...倉地も葉子に譲らないほどの執着をもって葉子がささげる杯から歓楽を飲み飽きようとするらしかった...
有島武郎 「或る女」
...ばかげて声高な純次に譲らないほど父の声も高く尖(とが)っていた...
有島武郎 「星座」
...異邦人に由て異邦人のために著わされし路加伝も亦イエスの言行を伝うるに方(あたり)て来世を背景として述ぶるに於て少しも馬太伝に譲らないのである...
内村鑑三 「聖書の読方」
...ずいぶん人に譲らない動物愛護者のつもりだが――とにかく...
谷譲次 「踊る地平線」
...――大阪の警察部は併し「警官も帝国の警官だ」と云って譲らない...
戸坂潤 「社会時評」
...一歩も譲らないで私につっかかって来たこと...
豊島与志雄 「理想の女」
...その皮肉なことにおいては相譲らないが...
中里介山 「大菩薩峠」
...先方が譲らないと言う以上...
中里介山 「大菩薩峠」
...この夜中にまでも覆面を取らないですまし込んで会話をつづけている点だけは両々相譲らないのです...
中里介山 「大菩薩峠」
...断じて一歩も譲らない剣刃上の覚悟があると共に...
中里介山 「大菩薩峠」
...初めは自分の製作品が正確なことを主張して容易に譲らない...
中島敦 「南島譚」
...どうしても互いに譲らないで...
平林初之輔 「華やかな罪過」
...鵬斎の善謔も亦多く茶山に譲らないらしい...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...児島の橘飩(きんとん)にも譲らないと思って...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...あなたのお顔と大胆で譲らない物の言いっぷりとが...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...詩人として何人にも譲らない熱情を持っている者であると共に...
与謝野晶子 「教育の民主主義化を要求す」
...外敵に譲らないのを見てもわかる...
吉川英治 「新書太閤記」
...ギリシア語やラテン語やゲルマン語が現代ヨーロッパ語と異なるに譲らないであろう...
和辻哲郎 「孔子」
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