...謙譲、忠誠、真実は地上から飛び去り、虚偽、暴戻(ぼうれい)、背信、そして飽くことを知らぬ黄金の欲望並びに最も粗野な罪悪の数々がとって代った...
スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 寺田寅彦訳 「宇宙の始まり」
...列国間の競争のはげしいことにいたっては苔虫類は人間社会に一歩も譲らない...
丘浅次郎 「理想的団体生活」
...それから彼女は私の耳に口をつけて、「譲治さん、きっとあたしを捨てないでね」と云いました...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...もしその財産が明日(あす)にでもあなたから私に譲り渡されるとしましても――」「明日(あす)そうなるということはありそうにもないという自惚(うぬぼ)れをわしは持っておるが...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...昔は、人に道を譲り、人と利福を分かつという事が美徳の一つに数えられた...
寺田寅彦 「電車の混雑について」
...身を起して半分の席を譲ろうとする者もなく...
豊島与志雄 「風俗時評」
...それを何と思うであろうか?イギリスはウェリントンに対してあまりに謙譲であった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...彼は自分の足りないのを知って謙譲であった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...南京玉のぬきつこなぞやつてやつとすこしはしやいできたところをそのころ姉から譲りうけた成田屋の勧進帳と音羽屋の助六の羽子板をもつてやうやく裏へ誘ひだした...
中勘助 「銀の匙」
...之も譲つて戴けませうか...
長與善郎 「青銅の基督」
...源左衛門は店や蔵の譲受(ゆずりうけ)を...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...渡辺が「あれは譲って貰ひたい」と言ってゐる...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...メアリにすべてを譲ろうと決めた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...どうぞ――」先にはいれ――と譲っていた...
本庄陸男 「石狩川」
...あんまり通俗小説だわ」若くて青年ぽい良心の自覚やそれを譲るまいとする荒々しさから宏子は...
「海流」
...譲受人が其の後になって登録をしても...
山下博章 「「プラーゲ旋風」の話」
...家をそっくり悠二郎とおみつに譲った...
山本周五郎 「桑の木物語」
...それを私に譲って下さい』必死な光をたたえた八雲の眸(ひとみ)である...
吉川英治 「篝火の女」
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