...この残酷にして奸譎(かんけつ)なる神の悪戯に堪ふる能はず...
芥川龍之介 「開化の殺人」
...心の底の動揺に刺激されてたくらみ出すと見える残虐な譎計(わるだくみ)は...
有島武郎 「或る女」
...性格なきの智識は国民をして猾智(かっち)譎詐(きっさ)を事とし...
大隈重信 「国民教育の複本位」
...ドランは正にして譎ならざるものだ...
高村光太郎 「正と譎と」
...譎とはたばかる事ではない...
高村光太郎 「正と譎と」
...繪畫に於いて十方無礙な譎の本領を發揮した...
高村光太郎 「正と譎と」
...春星の譎は東洋風の主情による...
高村光太郎 「正と譎と」
...「譎漢共(ごろつきかんども)!」スメールがつぶやいた...
チェスタートン 直木三十五訳 「金の十字架の呪い」
...奸譎な老人は、占卜者を牛角杯二箇で以て買收し、不吉なシャクの存在と、最近の頻繁な雷鳴とを結び付けることに成功した...
中島敦 「狐憑」
...あるものは奸譎(かんきつ)の圜(かん)をほのめかして回(めぐ)る...
夏目漱石 「虞美人草」
...欺くものと一様の譎詐(きっさ)に富むとき...
夏目漱石 「虞美人草」
...その困難な戰ひを乘り切る爲には、卑屈も、醜陋も、追從も、奸譎も、時としては不道徳的な破廉恥さへも、あへて爲さなければならないのである...
萩原朔太郎 「宿命」
...狂たらずんば譎(けつ)ならん...
正岡子規 「病牀譫語」
...そいつが奸譎(かんけつ)で狡猾(こうかつ)だという証拠のようなものだ」「でも原田さんは」「黙れ...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...呉の譎詐(きっさ)に乗ぜられて...
吉川英治 「三国志」
...奸譎(かんけつ)な非武士(ひぶし)の卑劣(ひれつ)を忿怒(ふんぬ)する天魔神(てんましん)のすがただ...
吉川英治 「神州天馬侠」
...この譎詐権謀(けっさけんぼう)だらけな乱世の下に...
吉川英治 「新書太閤記」
...――そして、この代表者の意志とうごきの間を縫って、無数の人間――あるがままな人間のすがたが、譎詐(きっさ)、闘争、貪欲(どんよく)の本能に躍り、また犠牲、責任、仁愛の善美な精神をも飛躍させる...
吉川英治 「新書太閤記」
便利!手書き漢字入力検索