...その本を貸すには相当の謝物(しゃもつ)を取(とっ)て貸す...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...「畫人武清上州桐生(きりふ)に遊候時(あそびそろとき)、桐生の何某(なにがし)申候には、數年玉池(ぎよくち)へ詩を直してもらひに遣(つかは)し候(さふら)へ共(ども)、兎角(とかく)斧正(ふせい)漏(そろう)にて、時として同字などある時もありてこまり申候、これよりは五山へ願可申候間(ねがひまうすべくそろあひだ)、先生御紹介可被下(くださるべく)と頼候時、武清申候には、隨分承知致候、歸府の上なり共、當地より文通にてなり共、五山へ可申込候(まうしこむべくそろ)、しかしながら爰(こゝ)に一つの譯合あり、謝物が薄ければ、疎漏(そろう)は五山も同じ事なるべし、矢張馴染(なじみ)の天民へ氣を附て謝物をするがよささうな物と申てわらひ候由、武清はなしに御座候...
森鴎外 「壽阿彌の手紙」
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