...必ず謙虚な心を以つて絶對の前に跪く筈である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...たいへんいじらしい謙虚な響きを持って居りますが...
太宰治 「ろまん燈籠」
...事物に対して謙虚な心がまへをなくしてしまつたやうである...
種田山頭火 「其中日記」
...清貧に甘んじ、謙虚な気持ちで、世に処してゆかなければならない...
豊島与志雄 「或る作家の厄日」
...その様子がほとんど謙虚なほどなので...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...われわれは謙虚な態度で待たなければならないのです」Kは...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...ニコラスは下級の兵隊にも謙虚な態度で接し...
久生十蘭 「淪落の皇女の覚書」
...そしてもしも――これは腹蔵なき謙虚な問であります――貴兄においても...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「幸福への意志」
...しかるに謙虚なる心は小さい自我を通す喜びによってよりもそれを粉砕する悲しみによって得られるのである...
三木清 「語られざる哲学」
...西洋には稀に見る淡白謙虚な人である...
南方熊楠 「十二支考」
...あらゆる謙虚なものが美しいように美しい...
三好十郎 「恐怖の季節」
...謙虚な心の彼らを...
柳宗悦 「民藝四十年」
...それらのすべてを謙虚な自尊心で受けながしたように...
山本周五郎 「青べか物語」
...という謙虚な気持のように思えて...
山本周五郎 「竹柏記」
...その辺にも礼節格式を重んずる翁一流の謙虚な用意が窺われて云い知れぬ床しさが偲(しの)ばれるようである...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...最も謙虚な意味で私は世界の広場にいる一人の日本の女であることをしみじみと嬉しく思った...
与謝野晶子 「鏡心灯語 抄」
...おのがじし小さい生命(いのち)のまたたきに謙虚な涙をせぐられて来るかと思われるばかりであった...
吉川英治 「私本太平記」
...我々はただ現在の運命を如実に見きわめることによって(すでに起こった事に対する謙虚な忍従によって)...
和辻哲郎 「停車場で感じたこと」
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